研究課題/領域番号 |
19H02682
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32010:基礎物理化学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
Fedorov Dmitri 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 主任研究員 (60357879)
|
研究分担者 |
西本 佳央 京都大学, 理学研究科, 助教 (20756811)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
16,900千円 (直接経費: 13,000千円、間接経費: 3,900千円)
2021年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
2020年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
2019年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
|
キーワード | 電子状態 |
研究開始時の研究の概要 |
量子化学計算は広範な応用性を持つが、依然として計算コストが高く、大きな系への適用が困難である。そこで本研究では、申請者らが開発してきたFMO-DFTB法と呼ぶ超高速量子化学計算手法と周期的境界条件を組み合わせることで、大きな単位胞を持つ結晶でも高速に計算できる手法を開発する。さらにエネルギーの解析的微分を実装することにより、正確な構造最適化や分子動力学シミュレーション等を行うことを目標としている。最終的には触媒表面における吸着・反応過程の解明へと応用する。
|
研究成果の概要 |
本研究課題では、密度汎関数強束縛法と周期的境界条件を組み合わせた量子化学計算手法を開発し、その手法を用いて応用計算を行った。本計算手法はフラグメント分割により高速化されており、分子のみならず、液体、溶液、固体に応用する事が可能になった。溶媒中タンパク質とリガンド(薬剤)の認識は創薬の設計で重要であり、リガンドの認識における相互作用を定量的に計算することが可能となった。結晶表面や内部で吸着する分子が起こす化学反応の解明が可能となり、触媒設計に有用となる。本研究により開発した解析手法は、官能基レベルでの詳細な相互作用の解析ができるようになるため、材料の効率を向上する設計に役立つことができる。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来の量子化学計算手法を拡張し、液体、溶液、固体材料に対して、高速かつ高精度の計算ができるようになった。振動エネルギーや分子動力学シミュレーションを行うことで、有限温度の影響を取り入れた、より現実に近いシミュレーションを行うことができる。我々が開発した手法を用いたシミュレーションにより、エネルギーや構造を予測し、さらに相互作用解析を駆使することで、触媒の性能向上、薬剤の設計、そして様々な材料の改善すべき部分を、原子レベルで特定が出来るようになると考えられる。将来的には、種々の社会問題を解決ができるような新材料の設計に寄与できると期待する。
|