研究課題/領域番号 |
19H02688
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32020:機能物性化学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山下 健一 大阪大学, 理学研究科, 講師 (40468145)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2019年度: 13,390千円 (直接経費: 10,300千円、間接経費: 3,090千円)
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キーワード | 反芳香族化合物 / 反Kasha発光 / 近赤外発光 / 有機発光色素 / 反カシャ発光 / 多重発光 / フォトンアップコンバージョン発光 |
研究開始時の研究の概要 |
金属錯体、特に希土類錯体は、通常条件下で多彩な発光特性(多重発光、可視~近赤外発光、フォトンアップコンバージョン発光)を示す一方で、一般的な有機化合物は、Kasha則に則り最低励起状態S1からの発光のみが通常紫外~可視光領域に観測される。本研究は、単一の有機分子で希土類錯体に匹敵するような多様な発光特性を実現することを目的とする。具体的には、鍵化合物として反芳香族化合物に注目し、反芳香族化合物の系統的な発光特性の評価を本研究で初めて行い、通常の有機化合物とは全く異質な発光色素の創製を目指す。得られた知見を将来的に新たな発光デバイス、発光センシング色素などの応用展開の足掛かりとする。
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研究成果の概要 |
金属錯体、特に希土類錯体は、多彩な発光特性を示す一方で、一般的な有機化合物は、Kasha則に則り最低励起状態S1からの発光のみが通常紫外~可視光領域に観測される。本研究は、反芳香族化合物に注目して、有機化合物で希土類錯体に匹敵するような多様な発光特性を実現することを目的とした。 反芳香族性の強さの異なるイソフロリン誘導体の発光特性の評価を系統的に行った。反芳香族性を示したイソフロリンは、いずれも可視及び近赤外域での反カシャ二重蛍光特性を示した。一方、反芳香族性を示さないイソフロリンは蛍光を示さなかった。これより、反芳香族性を導入することが二重蛍光特性を実現するのに有効であることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
一つの色素から複数の発光を示す多重発光特性は、有機分子においては、実現するための一般的な分子設計は、申請者の知る限り現時点でほとんど知られていなかった。本研究では、反芳香族性が有機分子で多重発光、近赤外発光を実現するための合理的な分子設計指針であること明らかにした。これらの成果は、反芳香族ポルフィリノイドから、有機物で他に比類のない希土類錯体のような特異的発光特性を実現できる可能性を示すことができたと考えている。
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