研究課題/領域番号 |
19H02689
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32020:機能物性化学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
川俣 純 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (40214689)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2021年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2020年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2019年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | 非線形光学 / 蛍光化合物 / 二光子顕微鏡 / バイオイメージング / 多光子吸収 / 2光子吸収 / 2光子吸収 |
研究開始時の研究の概要 |
多光子励起蛍光顕微鏡は、生体を動的かつ三次元的に高い空間分解能で可視化する装置として普及が進んでいるが、「生きた」脳の多光子励起蛍光顕微鏡観察は未だ深さ数百μm程度までしか実現してしない。本研究では、このボトルネックを解消するために、生体に対する光透過性が高い波長で高効率な多光子励起・発光が可能、脳にダメージを与える有機溶媒を用いる必要がない高い水溶性、血液脳関門(Blood-Brain-Barrier, BBB)をクリアし脳内を自由に往来できる低分子量、アルツハイマー病やALSなどの神経変性疾患の原因物質とされるタンパク質凝集体に局在、の4つの条件をすべて満たす蛍光プローブを開発する。
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研究成果の概要 |
生きたマウスの全脳イメージングを、マウスを殺すことなく実現できる蛍光プローブを何種類か開発した。具体的には、水に溶かすだけで生体に投与できる高い水溶性をもつとともに、生体深部への到達性の高い波長領域である650から1300 nmの範囲で、高い効率で多光子励起・発光が可能なプローブを開発した。開発したプローブを用い、生きたマウスの脳全体の非侵襲なイメージングを世界に先駆け実現した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
二光子顕微鏡により、生きた脳の中での出来事を光により可視化することができるようになった。本研究がもたらした成果は、脳疾患の進行に伴う脳内物質の細胞レベルでの変化が明らかにでき、脳疾患の進行メカニズムの全容の解明に道を開いた。将来的には脳疾患の根本的治療法を導くためのツールとして活用が進み、アルツハイマーやALSのような難治性脳疾患の患者を苦しみから解放することにつながる。
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