研究課題/領域番号 |
19H02690
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32020:機能物性化学関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
御崎 洋二 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 教授 (90202340)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2022年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
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キーワード | 有機電池材料 / 正極活物質 / ドナー・アクセプター分子系 / テトラチアフルバレン / ベンゾキノン / 充放電 / 二次電池 / 有機材料 / ドナー / アクセプター / 酸化還元 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,π電子ドナーであるテトラチアフルバレン(TTF)とπ電子アクセプターであるp-ベンゾキノン(BQ)およびその類縁体が縮合した両極性有機分子,あるいは分子内にドナー・アニオンの両部位を有する自己ドープ型分子系に着目し,これらの分子を正極活物質に応用して,高エネルギー密度化,高伝導性の実現による活物質配分量の増加,有機溶媒に対する活物質の難溶解性の実現によるサイクル寿命の増加,を図る。本研究を通じて,有機分子を利用した電極活物質材料の設計指針を確立し,その設計指針に従って高機能性を示す電極活物質分子の創出を実現する。
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研究成果の概要 |
高容量化,溶解度の低下によるサイクル特性の向上,導電性の向上による活物質配分量向上を目指し,ドナー分子であるテトラチアフルバレン(TTF)とアクセプター分子であるp-ベンゾキノン(BQ)が融合したドナー・アクセプター分子系を開発した。得られた分子のうち,易溶性置換基をもつ誘導体の溶液中における酸化還元挙動をCV法により明らかにした。難溶性の誘導体については,それらを正極活物質として用いた二次電池の充放電特性を明らかにした。特にTTF-TTF-BQ融合型トリアド分子の無置換体を用いた二次電池の放電容量は299 mAh /g, 放電エネルギー密度は855 mWh /gまで向上することを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究における試みは,従来無機物質の独壇場であった電池材料を,電池に不向きと考えられていた有機物質に置き換える,という点でエポックメイキングであり,学術的な意義は大きい。一般的に,有機材料は無機材料に比べ低融点であり,融解に伴う吸熱反応により熱暴走が起こりにくい,という利点がある。安全性の高い「有機二次電池」が,現状のリチウムイオン電池を凌ぐエネルギー密度を持つ高性能二次電池として将来的に実用化されたならば,家庭用,集合住宅用,あるいは分散型発電との組み合わせによるマイクログリッド用など,安全性が重要視される定置型大型電池への展開が期待されるので社会的に意義深い。
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