研究課題/領域番号 |
19H02692
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32020:機能物性化学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
深港 豪 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 准教授 (80380583)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2019年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
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キーワード | フォトクロミズム / 近赤外光 / ジアリールエテン / 蛍光 / 可視光フォトクロミズム / 三重項 / 光反応 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、生命現象の光制御や超解像蛍光イメージングへの応用の観点から、紫外光を必要とせず生体の光学的窓となる近赤外光でフォトクロミック反応を示す蛍光スイッチング分子材料の開発が切望されている。 本研究では申請者らが最近見出したスイッチングユニットが吸収を持たない可視域の光で光反応が進行するという特異な現象のメカニズムを解明し、その知見を基に、その波長感受性を近赤外光領域までシフトさせた近赤外光応答型の蛍光スイッチング分子材料を開発することを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究により、(1)可視光のみで可逆的なフォトクロミズムならびに蛍光スイッチング挙動を示す分子の開発に成功し、紫外光を必要としないスイッチング分子に対する新しい分子設計指針を明らかとした。また、(2)蛍光性フォトクロミックナノ粒子における超高効率な非線形蛍光スイッチング挙動を利用することで、近赤外領域の蛍光を可逆的かつ高効率にスイッチングできる分子の開発に成功した。 今後、本研究により得られた上記の成果を融合することで、可視または近赤外領域の光で近赤外領域の蛍光を可逆的にスイッチングできる分子の開発が可能になると期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでに提案されてきた可視光応答型のフォトクロミック分子のほとんどが450 nm以下という短い可視領域の光での反応に留まっていた。また、酸素が存在する通常の環境下で使用できない点も大きな障害となっていた。それに対し、本研究で開発した分子は、500 nmを超える長波長側の可視光のみで光反応が起こるだけでなく、酸素存在下においても反応性が全く減少しないことが確認できており、学術的な観点だけでなく応用の観点からも興味深い分子として期待される。 また、近赤外領域の蛍光を効率よくスイッチングできる分子系は今後のバイオイメージング等の分野において重要なツールとして発展していく可能性が十分に期待できる。
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