研究課題/領域番号 |
19H02694
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32020:機能物性化学関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
折笠 有基 立命館大学, 生命科学部, 教授 (20589733)
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研究分担者 |
大石 昌嗣 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 准教授 (30593587)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2019年度: 8,060千円 (直接経費: 6,200千円、間接経費: 1,860千円)
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キーワード | 二次電池 / 全固体電池 / X線 / 放射光 / CT / イメージング / デンドライト / 固体電解質 / エネルギー / 固体化学 / 機械特性 / 拡散 / 電極 / 銀イオン / 反応機構 |
研究開始時の研究の概要 |
二次電池ではキャリアーイオンの移動が連続的に進行するため、これに付随する拡散現象をどのように考えて材料設計するかを、基礎学理に基づいて体系化する必要がある。本研究では、全固体二次電池を対象として、「実電池電極内におけるキャリアーイオンの実効的な拡散現象」と、「金属負極における析出挙動の起点」についての研究を行う。これを実現するために、全固体二次電池内の反応を直接的に観測する手法を確立する。観察モデルとして、銀イオンをプローブとし、高エネルギーの放射光X線を用いて可視化する。確立した手法により、「電極厚はどこまで大きくできるか」と「金属負極はどうしたら使えるか」について、答えを導き出す。
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研究成果の概要 |
実用化が期待される全固体リチウム二次電池では、軽元素であるリチウムの動きを観測することが非常に難しい。そこで本研究では、高速の固体内拡散が知られている銀イオン(重元素)をマーカーに利用してX線透過イメージング法による全固体電池内の反応不均一現象および金属析出挙動を解析した。全固体電池では、充放電反応中でも固体電解質の濃度変化が発生しないことを示した。しかしながら、合剤電極では、電極電解質界面から優先的にキャリアーイオンの脱離反応が進行し、利用可能な電極厚みが制限される。また、金属負極を用いた場合では、粒界を持たない固体電解質でも、わずかなクラックを起点としてデンドライトが成長する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
二次電池内部ではイオンが複雑に動くことで充放電反応が進行する。しかしながら、これを直接観察することは難しく、電池開発の必要な情報が不足していた。本研究では、全固体電池内部で発生するイオンの不均一性や金属析出挙動を、充放電反応中で直接観察する手法を確立し、その現象解明を行った。液体電解質を使用するリチウムイオン電池と比較した時の利点を明確にするとともに、現在抱える全固体電池の課題について反応原理に基づいて示すことに成功した。
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