研究課題/領域番号 |
19H02696
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33010:構造有機化学および物理有機化学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
寺尾 潤 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (00322173)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2019年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
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キーワード | 分子配線 / 分子回路 / ロタキサン / 分子ワイヤ / 分子エレクトロニクス / ポルフィリン環状分子 / [3]カテナン / 超分子構造スイッチング / ポルフィリン / カテナン / 分子デバイス / 機能性共役分子 / シクロデキストリン / 電荷移動度 / 1分子センサ / 1分子伝導度測定 / 導電性高分子 / 有機半導体材料 / 燐光発光 / 高分子センサ材料 / 機能性高分子材料 / 機能性分子ワイヤ / 解重合 / 一酸化炭素 / 分子センサ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では高い電荷輸送特性を有する被覆型機能性共役分子を, nmのギャップを有する電極間で, 合成化学的手法によりビルドアップ的に繋ぎ合わせ,高分子デバイスの作製を目指す.即ち,種々の機能性官能基および遷移金属錯体部位を有するロタキサン型の機能性分子ワイヤの合成法の開発を行い,被覆型プラグ分子により表面修飾したナノ電極間で,共重合および錯化反応により,これらを効率的に繋ぎ合わせ,無機化合物にはない有機化合物ならではの物性を発現する発光素子・触媒素子・センサ等のケミカルデバイスの作製を目指す.
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研究成果の概要 |
ルテニウムと白金錯体を有するバイメタロ型分子ワイヤを合成し,2つの閾値を有しシグモイド型の生体応答性を示す被覆型分子センサ材料の合成にも成功した。また,STM-BJ法を用い,被覆型共役分子の単分子伝導度測定にも成功した。また,精密な1分子伝導測定については,ブレークジャンクション法により電極を可動させ,力学によるスピロピラン分子の構造異性化による電気伝導性のスイッチに成功した。さらに,1分子センサについては,シクロデキストリンを分子認識部位として有する1分子センサを作製し,リアルタイム伝導度測定により4つのアミノ酸とそれらのエナンチオマーを,数μ秒以内に区別することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究ではビルドアップ型の分子配線法を新たに考案することで,同一骨格からなる分子の長距離配線のみならず様々な機能分子が導入された分子回路の作製が可能となるのが特徴である.また,本手法は従来の架橋法と異なり,被覆効果により複数の共役分子による高密度・並列配線が可能となり,高い信号強度の伝導特性と高い分子配線の再現性が期待される.さらに,被覆効 果により,共役鎖内での電荷移動のみが起こり,高い伝導特性が得られるとともに,共役分 子の並列配線において問題となるπ-π相互作用による凝集や共役鎖の熱ゆらぎが抑制され,nmスケールの分子架橋でも高いS/N比を実現可能となる.
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