研究課題/領域番号 |
19H02701
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33010:構造有機化学および物理有機化学関連
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研究機関 | 分子科学研究所 (2020-2021) 名古屋大学 (2019) |
研究代表者 |
瀬川 泰知 分子科学研究所, 生命・錯体分子科学研究領域, 准教授 (60570794)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2021年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2020年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2019年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
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キーワード | トポロジー / π共役化合物 / カテナン / ノット / π共役 / 炭化水素 / アニオン種 / X線結晶構造解析 / メビウス / ジグザグ型 / カーボンナノベルト / 湾曲ナノグラフェン / シクロイプチセン / トポロジカル結合 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、ユニークなトポロジーをもつπ共役化合物群の創成および機能解明を目的としている。2016年のノーベル化学賞受賞理由となったように、カテナン・ロタキサン・分子ノットといったユニークなトポロジーをもつ分子に近年大きな注目が集まるものの、この構造をπ共役化合物に拡張した例は非常に少ない。π電子にユニークなトポロジーを与えることで新たな機能を発現し、機能性材料科学に革新をもたらす。
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研究成果の概要 |
本研究では、有機機能性材料の中心を占めるπ共役構造体に対してトポロジカルな幾何構造を導入した分子群を合成する手法の確立を行なった。トポロジーの基本構造である環状分子シクロパラフェニレンをトポロジカルに拡張する新手法を確立し、2つの環が組み合ったカテナン分子および環状で結び目をひとつもつノット分子の合成・単離・構造決定に成功した。さらにこれらの分子が、異なるトポロジーに由来した分子内での速い励起エネルギー移動や、結び目の左右に由来するトポロジカルキラリティを有することを実験的に明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
有機合成化学の究極の目標のひとつは「望みの分子構造を自由自在に作る技術を確立する」ことである。今回のトポロジカルπ共役化合物は多くの有機合成化学者が合成を試みるも成功しなかった最難関化合物であり、これを新たな手法の開発によって合成可能にしたことで有機合成化学の発展に大いに寄与した。材料への応用にはさらなる合成法の改良が必要だが、π共役化合物は有機半導体や有機発光材料に利用される有用物質であり、今回合成した化合物から得られた物理化学的な知見はこれら材料科学分野の今後の発展において非常に有益である。
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