研究課題/領域番号 |
19H02707
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
市川 淳士 筑波大学, 数理物質系, 教授 (70184611)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2021年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
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キーワード | フッ素 / カルボカチオン / フルオロアルケン / 触媒 / パラジウム / ルイス酸 / 多環式芳香族炭化水素 / チオフェン / 有機化学 / 合成化学 / 触媒・化学プロセス / 電子・電気材料 / 含フッ素有機化合物 / 医農薬 |
研究開始時の研究の概要 |
有機(光)電子デバイスの新材料開発に向け、ピンポイントでフッ素置換した多環式芳香族炭化水素(F-PAH)の選択的な自在合成法を確立する。F-PAHは、ピンポイントフッ素置換によってPAHの問題点[高いキャリア移動度・空気酸化への安定性・有機溶媒への可溶性]を解決し、半導体材料としての飛躍的な性能向上が期待できるものの、未だF-PAHに系統立った合成法はない。既に開発した含フッ素アルケン・アレンの触媒的・求電子的環化をさらに展開し、これらの素反応を効率的に組合わせる手法を開拓することでF-PAHを自在に提供し、F-PAHの構造・機能とフッ素置換位置との相関関係を解明し機能性材料を開発する。
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研究成果の概要 |
本研究課題では、位置選択的にフッ素化した多環式芳香族炭化水素の自在合成を指向し、そのための両輪となる直線型F-PAHおよび曲折型F-PAHの合成法を確立した。(1) CF3-アルケンにアルミニウムルイス酸を作用させ、そのドミノ環化によるF-アセン(直線型F-PAH)の合成法を開発した。また、CF3-シクロプロパンの反応によるF-チオフェンの合成法も見出した。(2) 曲折型F-PAH合成法である1,1-ジフルオロアルケンや1,1-ジフルオロアレンの反応を、F-ナフトチオフェンやCHF2-アレーンの合成法へと展開した。(3) CF3-アルケンのドミノ環化による置換アセンの合成法を開発した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
F-PAHは有望な新規有機電子材料であるが、その系統的・網羅的合成法はなかった。そこで本研究課題では、フッ素置換したベンゼン環を直線型および曲折型で連結する手法を開発した。ベンゼン環三つの連結様式は直線型と曲折型の二種に限られるため、本研究課題の成果により、多様な連結様式を有するF-PAHを自在に合成するための基盤が整ったことになる。また、様々なF-PAHおよびPAHを有機電子デバイス等の開発現場に提供することが可能となった。こうした合成手法の提供および物質の供給を通じて、本研究課題の成果は産業界にも大きく貢献する。
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