研究課題/領域番号 |
19H02712
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
|
研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
村井 利昭 岐阜大学, 工学部, 教授 (70166239)
|
研究分担者 |
平田 洋子 岐阜大学, 工学部, 教授 (50271523)
宇田川 太郎 岐阜大学, 工学部, 助教 (70509356)
今井 喜胤 近畿大学, 理工学部, 准教授 (80388496)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2021年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2019年度: 8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
|
キーワード | P-キラル有機リン化合物 / 軸性キラリティー / 中心性キラリティー / キラリティー転写反応 / P-キラルホスフィン酸エステル / ビナフチル基 / キラリティー転写 / リン原子上置換反応 / 小胞体ストレス / 反応経路理論解析 / 円偏光発光 / リン原子キラリティー / 計算化学 / ビナフチルチオホスホン酸エステル / リン原子キラリティ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、ビナフチル基を有する四配位五価リン化合物を出発化合物として、キラリティー転写反応を経たリン原子上キラルな光学活性化合物の一般的合成法の開発を基盤として新しい分子キラリティーの世界を開拓する。すなわち一連のリン原子上での反応経路の詳細を、取りうるすべての中間体を自動的に発見できる GRRM法を用いた理論計算によって解析する。ついで得られた化合物群を基軸として光学活性ルイス塩基触媒を提供する。得られた化合物群の毒性評価と細胞内シグナルタンパク質の挙動解析を経た構造活性相関に関する知見を蓄積するとともに、希土類錯体の円偏光発光の発現とその高機能化に関する明確な材料設計指針を提案する。
|
研究成果の概要 |
本研究では、ビナフチル基を有するチオリン酸、チオホスホン酸、リン酸、ホスホン酸エステルと金属アルコキシドとの反応の詳細を明らかにした。反応は、ビナフチル基のキラリティーがリン原子の中心性きらりティーへの転写を伴って進行する。また反応は速度論的に制御されており、出発化合物が有する置換基とアルコキシドが有する置換基を入れ替えることによって、逆のジアステレオマーを導くこともできる。 さらに得られた生成物に対して、金属アルコキシドを作用させると、リン原子上でのエステル交換反応も進行しP-キラルなリン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸エステルやその硫黄同族体を高効率かつ高選択的に導く反応を確立することができた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
有機リン化合物は、医薬品、医薬品前駆体、さらに農薬など幅広く利用される化合物群である。それに対して、その合成は多段階を要する場合も多いこと、また導入したい置換基が限定されているという課題がある。この課題に対して本研究ではこれまで前例のないわれわれが発見した「キラリティー転写反応」という反応様式の適用範囲を明らかにした。さらに得られた化合物を基質として、リン原子上に、酸素原子や硫黄原子を連結させ、さらにアルコキシ基や炭素置換基を導入したP-キラル化合物を導く反応を提供することができた。たとえばデュシェンヌ型筋ジストロフィーの治療薬候補の骨格も導くことに成功している。
|