研究課題/領域番号 |
19H02716
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
南方 聖司 大阪大学, 工学研究科, 教授 (90273599)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2019年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
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キーワード | ジアミノ化 / 立体特異的反応 / アルケン / ジアミン / アンチ付加 / シン付加 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、実践的な方法論が未だ確立されていないアルケンのビシナルジアミノ化を取り上げ、不斉合成も含めたアンチ付加とシン付加の完全な立体制御に取り組む。本提案は、活性三員環を経由する完全アンチ付加と、二つの反応部位を分子内に有する窒素原を用いる完全シン付加を可能にする。単純な反応であるがゆえに、既に知られた反応のように思われるが、実際には存在せず、教科書に取り上げられても不思議ではない程の学術的に意義深い方法論となるだけでなく、これまでこのタイプの実践的な反応が存在しなかったが故に、複雑な医薬品や機能性物質の合成が短工程となり、価値ある反応開拓である
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研究成果の概要 |
入手容易な単純なノシルアミドを窒素源とし、酸化剤としても安価な次亜塩素酸ナトリウムの5水和物を用い、単体ヨウ素を触媒として活性化されていない単純なアルケンのアンチ選択的なビシナルジアミノ化反応を開発した。ビシナルジアミンの全てのジアステレオマーを合成するためには、シンジアミノ化反応の開発も必要であり、スルファミドを母骨格として、両端の2つ窒素にさらに求引基としてtert-ブトキシカルボニル基を導入した窒素源を合成し、これのクロラミン塩を窒素源とすることにより、単体ヨウ素を触媒としてアルケンのシンジアミノ化を達成した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
有機合成反応の開拓は、川上に位置する研究ではあるが、今回見出した立体制御が可能なジアミノ化反応は、一般性および汎用性が高く、新薬の合成に十分貢献できるものである。新型コロナウイルスの発現とその感染拡大で、世界中がその恐怖にさらされている。ワクチンの開発が急速に進んでいるが、抗ウイルス薬の開拓も急務な課題であることは言うまでもない。一部の抗インフルエンザ薬の中に1,2-ジアミン骨格が含まれるからといって、新型コロナウイルスの特効薬に使える保証は全くないが、これまでになかった反応は、新しい物質を迅速に合成することを可能にし、例えば新薬の候補化合物群の合成を加速することが期待できる。
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