研究課題/領域番号 |
19H02718
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
仁科 勇太 岡山大学, 異分野融合先端研究コア, 研究教授 (50585940)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2021年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2020年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2019年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
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キーワード | カーボン / 触媒 / 化学修飾 / 電子移動 / 酸化還元 / メタルフリー / グラフェン / 有機合成 / ラジカル / カーボン触媒 / 水素化 / カップリング |
研究開始時の研究の概要 |
カーボンを触媒として利用する有機合成反応の開発は,2010年頃に研究が展開された新しい分野である。そのため,反応メカニズムや活性点に関して未解明な点が多く,カーボン触媒の開発は試行錯誤に頼っているのが現状である。本研究では,カーボンやそのモデルとなる低分子に対して化学修飾により官能基やラジカルを付与して触媒性能を評価することにより,触媒活性が発現するメカニズムを解明する。とくに,官能基やラジカルを有する多環芳香族化合物をカーボン触媒のモデルとして合成し,その触媒性能を評価することは新規性・学術性ともに高く,これまでブラックボックスであったカーボン触媒の真相を明らかにする。
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研究成果の概要 |
金属に頼らない”カーボン触媒”の概念を構築することを目指し、カーボンの構造や官能基を変えることで反応性を確認した。この研究を通して、カーボンに窒素原子を組み込むことや、ラジカルを増やすことが、触媒活性に効果的であることが分かった。また、カーボン表面の酸素官能基を切断することで、ラジカルを増やすことが可能であることも分かった。窒素を含むカーボンは、ニトロ基の還元や酸素の還元触媒として利用できることを明らかにした。また、スチレン、アクリロニトリル、ビニルピリジン、スチレンスルホン酸などの重合にも効果的であることがわかった。詳細な反応メカニズムは、insituESR分光法によって分析した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
カーボン触媒は世界的に研究が盛んになってきているにも関わらず,触媒科学としての基礎的な検討が欠けていると感じている。そこで申請者は,カーボンの組成を系統的にコントロールし,化学修飾によりナノ~原子・分子レベルで構造を変え,in situ分析などを通して触媒活性が発現するメカニズムを解明(場合によっては過去の研究事例を否定)するとともに,高活性化・高選択性の発現・新反応の開拓を実現するためのカーボン触媒の設計指針を確立することが重要であるとの考えに至った。なぜカーボンが,金属触媒に似た反応や異なる選択性を示すのかを明らかにすることが,本研究の意義である。
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