研究課題/領域番号 |
19H02719
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
村井 征史 名古屋大学, 理学研究科, 准教授 (40647070)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
15,210千円 (直接経費: 11,700千円、間接経費: 3,510千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2019年度: 7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
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キーワード | 遷移金属触媒 / クロム / gem-二金属反応剤 / アルキリデン / メタセシス / レニウム / 前期遷移金属 / geminal-二金属反応剤 / エンイン / タンタル / 1,n-アルキニルケトン / gem-二クロムアルカン / アルキン / 5~7族 / シクロプロパン / フェノール / スズ / ニオブ / 炭化水素 / 脱小分子 |
研究開始時の研究の概要 |
5~7族の金属錯体は、様々な原子価や酸化状態を取れる性質から、これまで重合や酸化反応に使われることが多かった。本研究では、利用形式が限られているこれらの金属に焦点を当て直し、5~7族の金属錯体でなければ達成できない触媒的な高難度物質変換法の確立を目指す。具体的には、これらの金属錯体を「単体で用い、ユニークな脱酸素反応や求核的なアルキリデン錯体発生法」、「他の触媒と複合して用い、二重結合の移動や脱水素を伴う炭素-炭素結合形成反応」をそれぞれ開発できないか検討する。金属の個性の発見・開拓・応用により、実用的な合成反応の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
5~7族の金属錯体は、様々な原子価や酸化状態を取れるため、これまで重合や酸化反応に使われてきた。本研究では、申請者が独自に見出したgem-二金属反応剤が有するアルキリデン種等価体としての反応性を基に、これまでとは異なる視点から新反応の開拓を目指した。その結果、オレフィンの立体選択的スタニルシクロプロパン化や、エンインやアルキニルケトンの付加を伴う環化反応を見出し、発生するアルキリデン種等価体が、求核的なSchrock型の反応性を有することを明らかにした。また、配位子を適切に添加することで、環化反応の経路のスイッチングや、活性種であるgem-二クロムシリルメタンの単結晶X線構造解析に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で開発した反応は、一段階で複数の炭素-炭素結合を立体選択的に形成しながら、さらなる変換反応の足場としても利用できるスズやケイ素官能基を有する複雑な骨格の分子を与えるため、有用と言える。また、エンインやアルキニルケトンの環化で構築される二環性シクロアルカン骨格は、生理活性物質や天然物などに幅広く見られる骨格でもあり、それらの効率的な合成法に応用できる可能性も示された。これらは、5~7族の金属元素を用いることで初めて実現できた特徴的な反応であり、学術的にも社会的にも意義のある成果が本研究により得られたと言える。
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