研究課題/領域番号 |
19H02720
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
大石 徹 九州大学, 理学研究院, 教授 (90241520)
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研究分担者 |
此木 敬一 東北大学, 農学研究科, 准教授 (40292825)
佐竹 真幸 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (90261495)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2020年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2019年度: 8,840千円 (直接経費: 6,800千円、間接経費: 2,040千円)
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キーワード | マイトトキシン / 梯子状ポリエーテル / カルシウムイオン流入活性 / 化学合成 / 生物活性発現機構 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,(1)MTXの疎水性部分に相当するW-F’環部(1)を化学合成し,MTXによって引き起こされるCa2+流入活性を阻害するかどうかを明らかにする。また,(2)MTXの疎水性部分に相当するG-U環部(2)を化学合成し,MTXと同等なCa2+流入活性を発現するかどうかを明らかにする。
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研究成果の概要 |
マイトトキシン(MTX)は,渦鞭毛藻から単離された分子量が3422の梯子状ポリエーテルであり,強力な細胞内Ca2+流入活性を示す。本研究者は,これまで化学合成に基づいたMTXの構造活性相関研究を行っており,本研究では,MTXの生物活性発現機構の解明を目指し,MTXの約3分の1に相当するWXYZA’B’C’D’E’F’環部(分子量1140)の合成を検討した。本研究者が開発した二環構築型収束的合成法であるα-シアノエーテル法を利用して,WXYZ環部とC’D’E’F’ 環部から収束的に合成することに成功した。合成品と天然物のNMRデータは良い一致を示し,提出構造が正しいことを確認することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,独自に開発した二環構築型収束的合成法であるα-シアノエーテル法を利用して,MTXの約3分の1に相当するWXYZA’B’C’D’E’F’環部(分子量1140)の合成に世界で初めて成功した。最長直線工程数は53段階,総工程数は104段階であった。合成品と天然物のNMRデータの比較から,提出構造が正しいことを確認することができた。この研究成果は学会で高く評価され,第63回天然有機化合物討論会の奨励賞および日本化学会欧文誌のBCSJ賞を受賞した。以上,本研究は,梯子状ポリエーテルの合成研究において多大な進展をもたらした。
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