研究課題/領域番号 |
19H02733
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34010:無機・錯体化学関連
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研究機関 | 京都大学 (2020-2021) 名古屋大学 (2019) |
研究代表者 |
大木 靖弘 京都大学, 化学研究所, 教授 (10324394)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2021年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2020年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2019年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
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キーワード | 鉄 / モリブデン / 硫黄 / ニトロゲナーゼ / 窒素固定 / 窒素 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、自然界の窒素固定を担う酵素ニトロゲナーゼの機能であるN2還元反応の機構解明に資する知見を得ることを目的とする。その目標達成に向けて、酵素活性中心の構造を部分的に模倣するキュバン型(立方体型)のMo-Fe-Sクラスターを合成し、N2の還元反応に用いる。このとき、位置選択的にFeを反応点とする設計を採用し、Mo-Fe-SクラスターのFeでN2を捕捉し変換できることを証明する。
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研究成果の概要 |
窒素固定化酵素ニトロゲナーゼの機能であるN2の還元反応は、FeMo-cofactorと呼ばれる金属-硫黄クラスターにより触媒される。本研究ではFeMo-cofactorの機能を人工的に再現することを目指し、三角形型のMo-Sクラスター錯体ををプラットホームとして鉄族金属Mの塩化物を取り込ませることで、一連の立方体型クラスター錯体を合成し、金属Mを反応点としてN2の活性化を検討した。さらに、ニトロゲナーゼのタンパクを扱える生化学者と連携して、人工合成したFe-Sクラスター錯体を用いる選択的なタンパク再構成技術を開発し、ニトロゲナーゼ活性中心の生合成過程に関する重要な知見を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、ニトロゲナーゼの酵素活性中心FeMo-cofactorに関連深いMo-Fe-Sクラスター錯体を合成し、Feを反応点としてN2を捕捉した。この研究をさらに発展させれば、過去半世紀に渡り検討されてきた一方で誰も実現できていない、金属-硫黄クラスター錯体を触媒とする酵素模倣型のN2還元反応を実現できる可能性があり、さらには酵素機能を超える人工触媒の開発に向けた端緒が拓かれる。
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