研究課題/領域番号 |
19H02735
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34010:無機・錯体化学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
嶌越 恒 九州大学, 工学研究院, 教授 (00284539)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2021年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2020年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2019年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | 酸化チタン / 光触媒 / ビタミンB12 / 有機塩素化合物 / 炭素資源リサイクル / 可視光応答型触媒 / カーボンリサイクル反応 / アミド化反応 / 可視光 / 脱ハロゲン化反応 / 炭素資源循環 / 有機ハロゲン化合物 / リサイクル反応 / ベースメタル / 脱塩素化反応 / 光増感剤 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、従来環境汚染物質として扱われてきた有機ハロゲン化合物を炭素資源と見なし、これを原料としてエステルやアミド化合物等の有用化成品合成を行い、負の遺産を有用なファインケミカルに変換するという、従来法とは異なる視点に立った新しい炭素資源リサイクル型反応の開発を行うことを目的とする。触媒としては、金属酵素の活性中心を模倣した金属錯体に光応答性ナノ粒子を複合化したハイブリッド型光触媒を作製し、光エネルギーを駆動力とする反応系を構築する。さらに光合成における二段階光励起Zスキーム機構を導入した新規な触媒システムを構築し、水を電子源とする可視光応答型の物質変換システムの確立までを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、炭素資源の循環法として、環境汚染物質である有機ハロゲン化合物を脱ハロゲン化し、残った炭素部分を有用化合物の炭素源として利用する炭素資源リサイクル反応の開発を行なった。その手法として、天然金属酵素の優れた性質に着目し、その機能を再現するモデル錯体を合成し、それと光触媒を組み合わせることで、光エネルギーを駆動力とする環境調和型触媒を合成した。また二段階光励起Zスキーム機構を導入した触媒システムとして、二種類の光増感剤と触媒部位となるビタミンB12錯体を複合化したハイブリッド触媒の開発にも成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、天然酵素に光応答性、耐久性、外部刺激応答性などの新たな機能を付加したバイオインスパイード型人工酵素の研究が活発に行われている。金属酵素を例にすると、活性中心のモデルとなる金属錯体を電極、酸化物半導体および光増感剤などと複合化することで、電気化学的または光化学的に駆動する人工金属酵素の研究が目覚ましく発展している。一方で、これらの研究から、実用化に直結する汎用性の高い反応開発に至った例が未だ少ないのも現状である。本研究は、このような現状を打破すべく、バイオインスパイード型の触媒研究を一歩前に進め、社会実装に向けた新規で有用な炭素資源リサイクル型の物質変換システムの開発を行った。
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