研究課題/領域番号 |
19H02737
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34020:分析化学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
上野 貢生 北海道大学, 理学研究院, 教授 (00431346)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2021年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2020年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2019年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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キーワード | プラズモン共鳴 / 位相緩和時間 / 表面増強ラマン散乱 / 光反応 |
研究開始時の研究の概要 |
金属ナノ微粒子が示すプラズモンによる光電場増強効果は、「空間」と「時間」の効果によって引き起こされる。研究代表者は、これまで独自のナノ加工・計測技術により光が金属ナノ微粒子に近接場として閉じ込められる時間を自在に制御できることを明らかにしてきた。本研究では、光が金属ナノ微粒子に近接場として閉じ込められる時間と光電場増強効果との相関、および光閉じ込め時間が表面増強ラマン散乱(SERS)の信号強度や光反応効率に与える影響について、時間分解分光計測技術、および高度ナノ加工技術を駆使して系統的に明らかにし、高い光電場増強に基づいて高効率に光反応を促進する「場」を創造することを目的とする。
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研究成果の概要 |
元来、光と物質の相互作用は小さい。我々は、これまで金属のナノ構造体を用いて、光を微小な空間に閉じ込め、光と物質の相互作用を増大させることに成功してきた。本研究では、これまでの研究をさらに深化させ、金属ナノ構造と他の光学のモードとの強い相互作用を誘起することにより、光をより長時間微小な空間に閉じ込めることに成功し、少数分子の計測や光反応効率の制御を実現することが可能であることを実験的に明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
持続可能な社会を実現するためには、太陽電池や人工光合成(水素発生)などの太陽光エネルギーの利用が不可欠である。しかし、光と物質の相互作用は小さいため、太陽光のような希薄な光子では、エネルギー変換に利用することは難しい。本研究では、光をある程度の時間蓄える光共振器の性能を向上させることに成功した。本研究期間中に約一桁の増幅に成功し、さらに研究が進んで、あと一桁長い時間閉じ込められれば、太陽光をエネルギーの高い紫外光に変換できる可能性があり、今後の展開が期待される。
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