研究課題/領域番号 |
19H02742
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34020:分析化学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
藤浪 眞紀 千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (50311436)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2020年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2019年度: 8,320千円 (直接経費: 6,400千円、間接経費: 1,920千円)
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キーワード | 陽電子消滅 / 水素脆化 / 鉄 / ニッケル / 水素 / その場計測 / その場分析 / 格子欠陥 / 可搬型 |
研究開始時の研究の概要 |
普及型陽電子消滅装置を開発し,かつフィールドでのその場構造体余寿命評価法への展開を目的とする。ここでは,試料以外に入射した陽電子からの信号を除去する方法が問題となるが,陽電子入射によって発光するシンチレータを試料以外の空間に配置し,発光信号との反同時計数法を用いた解決策を利用する。さらに,物質科学のブレイクスルーに資する応用例として,長年の未解明問題である水素脆化支配欠陥決定に取組み,水素環境下延伸状態でのその場分析を実現し,原子空孔が力学特性劣化に果たす役割を解明する。
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研究成果の概要 |
普及型その場陽電子消滅法の開発において,水素添加しながら測定可能な装置を開発することにより,純鉄中の水素誘起欠陥が空孔-水素複合体であることを実証し,水素脆化はその局所高密度化であることが重要であることを示唆した。また,分オーダーでの測定可能な装置を活用することで,純Niでは,NiではFeと異なり水素添加のみで空孔が形成すること,水素脱離による空孔クラスターへの経時変化との関係を明らかにした。さらにNiの水素脆化においても空孔-水素複合体の形成が関与していることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,水素添加しながら,あるいは延伸しながらその状態で陽電子消滅消滅が可能となり,材料の格子欠陥を調べることが可能となった。従来はそれらが空孔クラスターに成長した状態でしか観察できなかったが,これにより,不安定であった水素誘起欠陥を検出することに成功した。また,分オーダーでの陽電子消滅測定により,分オーダーで変化する空孔成長過程を直接観察することができた。これらは,従来知見を根底から覆すものであり,画期的である。今後,不安定な欠陥計測に開発装置は大きく寄与していくことが期待される。
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