研究課題/領域番号 |
19H02759
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35010:高分子化学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
中野 環 北海道大学, 触媒科学研究所, 教授 (40227856)
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研究分担者 |
宋 志毅 北海道大学, 触媒科学研究所, 准教授 (80600981)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2021年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 9,230千円 (直接経費: 7,100千円、間接経費: 2,130千円)
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キーワード | 円偏光 / らせん / ねじれ構造 / 励起状態 / 有機構造体 / ねじれ / キラル増幅 / 円偏光二色性スペクトル / キラリティー / 不斉増幅 / 分岐構造 / 高分子 / ゲル |
研究開始時の研究の概要 |
「らせん構造」を有する高分子は、右手型・左手型の構造をもつ医薬品原料等(鏡像体)を分離する機能、あるいは、左右いずれかの鏡像体を選択的に合成する機能等を有する優れた物質である。らせん状高分子は、従来、らせん構造形成を促進する化合物を用いる有機化学的な手法によりつくられてきた。これに対して、本研究ではそうした化合物を一切用いず、左右にねじれた波面をもつ「円偏光」を高分子に照射してらせん構造を構築する方法を開発する。この手法は、高分子を形作る化学結合を円偏光により一方向に選択的に回転させる原理に基づいており、有機合成より遥かに簡便により広範な高分子に対してよりらせん構造を構築すること狙っている。
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研究成果の概要 |
円偏光による不斉誘起を直鎖型高分子、規則的な分岐構造を有する有機構造体さらには機能性低分子に適用しらせん構造あるいはねじれ構造を誘起した。直鎖型高分子であるポリナフタレン誘導体への不斉誘起を検討し、基底状態での不斉重合と円偏光法では異なるキラル構造が誘起されることを見出した。また、ベンゼン環が規則正しく結合した有機構造体内部の単結合回りのねじれを円偏光法により一方向巻きに制御した。さらに、青色発光を示す低分子化合物への円偏光照射により高い効率で不斉誘起し、加えて、キラル化した化合物が高効率な円偏光発光体となり青色円偏光LEDの素材として有望であることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
物質のキラリティーは人の生活に極めて重要な役割を果たし、光学活性物質の合成手法開発は重要である。医薬品等を含む光学活性物質は、従来、基底状態での化学(主に不斉配位子等の不斉源とする合成および光学異性体の分割)により調製されてきたが、本研究では、光のキラリティー(円偏光)を用いる新手法を開発した。本手法はキラル源となる化学物質を必要とせず、副生成物もほぼ発生せず、光エネルギーと非対称性のみに基づいて光学活性物質の調製を可能にするものであり、持続可能な社会形成の観点から社会的な意義は大きい。加えて、従来の基底状態化学とは全く異なる原理による物質の構造制御を探求するものであり学術的意義も深い。
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