研究課題/領域番号 |
19H02763
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35010:高分子化学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
高坂 泰弘 信州大学, 学術研究院繊維学系, 准教授 (90609695)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 14,040千円 (直接経費: 10,800千円、間接経費: 3,240千円)
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キーワード | ケミカルリサイクル / 精密重合 / 高機能化モノマー / 主鎖切断 / 共役置換反応 / リビング重合 / 刺激応答材料 / 官能基シナジー / α-機能化アクリル酸エステル / 分解性ビニルポリマー / ラジカル重合 / カチオン重合 / 重合反応 / 高分子分解 / 循環型材料 / 主鎖切断反応 / 化学リサイクル / α-機能化アクリルアミド / 刺激応答性ポリマー / 開環重合 / 高分子合成 / モノマー設計 / 分解性材料 / 反応性ポリマー / 精密重合化学 |
研究開始時の研究の概要 |
高分子材料に機能を賦与する場合,ベースとなる高分子に官能基を追加する戦略が採られます.この戦略はシンプルで実践しやすい反面,機能を追加する度に高分子の化学構造が複雑になる問題があります.一方,天然高分子は単純な構造ですが,複数の官能基が連動して働くことで,高機能を生み出しています.これを参考に,リサイクルや化学分解を実現する新しい高分子材料の開発や,高分子を設計通りに合成する新技術を提供します.
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研究成果の概要 |
本研究では,官能基や特性結合の生成・消失を利用した精密重合や高分子分解,高分子機能の創出を狙った.α位にエーテル結合を置換したビニルエステルやスチレン類のラジカル重合により,主鎖分解からの原料再生(ケミカルリサイクル)が可能なビニルポリマーを開発した.また,カルボキシラートイオンなどの弱い求核剤と鋭敏に反応して分解する新しいポリエステル,ポリウレタンや,重合後分解と再重合を繰り返し,物性を変化させる新しい高分子主鎖変換法を開発した.さらに,大気雰囲気で実施可能なラクトン類のリビングアニオン開環重合(不死鳥重合),条件選択により生成物の構造が変化する精密重縮合などの新しい高分子合成法も開発した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
機能高分子を設計する場合,ベースとなる高分子に,機能を誘導する官能基や原子団を都度導入する分子設計が一般的である.これに対し,研究代表者は複数の官能基のシナジーを効果的に引き出すことで,個々の官能基以上の機能を高分子に賦与できると考えた.その結果,合成が容易な反面,分解が困難とされていたビニルポリマーについて,効率的な分解技術を提供し,分子レベルでの原料再生と資源循環を実現した.また,一つの原料から性質が異なる高分子材料を誘導する様々な精密重合技術,合成した高分子の性質を必要に応じてチューニングする技術,特殊な装置がなくとも,精密重合によるポリエステル合成を実現する技術を提供した.
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