研究課題/領域番号 |
19H02764
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35010:高分子化学関連
|
研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
中 建介 京都工芸繊維大学, 分子化学系, 教授 (70227718)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2019年度: 8,060千円 (直接経費: 6,200千円、間接経費: 1,860千円)
|
キーワード | かご型シルセスキオキサン / ゲル化 / 表面改質剤 / 紫外線耐性 / ゲート絶縁膜 / ポリイミド / ポリウレア / 熱可塑性 / 誘電率 / ポリアミド / ポリアゾメチン / レオロジー / ポリウレタン / 有機電界効果トランジスタ |
研究開始時の研究の概要 |
塗布形成法による有機電界効果トランジスタ(TFT)構成層のゲート絶縁膜として既存の高分子材料が検討されているが課題は多く、革新的材料の開発が求められている。研究実施者は二官能性かご型シルセスキオキサン(POSS)モノマーを用いて得られるPOSS主鎖型ポリアゾメチン溶液をキャストし、これをゲート絶縁膜として直交溶媒を用いずに良好な有機TFTが作製できることを明らかにした。本研究は二官能性POSSモノマーを用いた重合により得られる高分子の構造とレオロジー物性等との関係を評価することで、既存の高分子材料では達成できない物性間トレードオフを解消する革新的ゲート絶縁膜の開拓を目的とする。
|
研究成果の概要 |
本研究は革新的ゲート絶縁膜の設計戦略創出のため、二官能性POSSモノマーと種々のコモノマーとの重合により系統的に構造を変化させたPOSS主鎖型ポリマーの合成を行い、数珠玉構造に由来する物理架橋の分子レベルの機構を明らかにすることと既存の高分子材料では達成できない物性間のトレードオフを解消した革新的材料設計戦略への展開を目的とした。その結果、得られた高分子の構造とレオロジー物性等との関係を評価することで、疎水性ブロック(POSS)と架橋部位からなる数珠玉構造に由来する物理相互作用を明らかにした。また、高熱伝導性透明樹脂、表面改質剤および紫外線耐性材料への可能性も見いだした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
塗布形成法による有機TFT構成層のゲート絶縁膜として既存の高分子材料が検討されているが課題は多く、革新的材料の開発が求められている。これらに対して本研究では二官能性かご型シルセスキオキサン(POSS)モノマーを用いて得られる数珠玉構造高分子はキャストのみで耐溶剤性に加えて柔軟性と機械的強度、および熱耐性を有し、かさ高い疎水性ブロックのため、平滑で表面エネルギーが低い薄膜が得られる点で著しい優位性を有している。さらに分子設計容易性のため、高い絶縁性と高誘電性との両立など、既存の高分子材料では達成できない物性間のトレードオフを解消した革新的材料設計戦略への展開が期待できる創造性を有する。
|