研究課題/領域番号 |
19H02767
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35010:高分子化学関連
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研究機関 | 神奈川大学 |
研究代表者 |
金 仁華 神奈川大学, 化学生命学部, 教授 (60271136)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2019年度: 11,440千円 (直接経費: 8,800千円、間接経費: 2,640千円)
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キーワード | ポリエチレンイミン / キラル転写 / キラルシリカ / キラルチタニア / 円偏光発光 / ラマン散乱増強 / 分子性キラリティ / 不斉認識 / キラルポリ(4-メチル-2-メチルオキサゾリン) / パラジウム担持キラルシリカ / C-Cカップリング反応 / 酒石酸・リンゴ酸 / エナンチオマー選択重合 / 光学活性材料 / エナンチオマー識別 / キラルポリマー / 自己組織化 / ナノ構造材料 / 不斉ラーマン増幅 / キラルナノ構造体 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では有機・高分子化学におけるエナンチオ選択的合成の概念を無機材料合成へ展開し、有機・高分子のキラル情報を無機構造体に転写するプロセスを経て、シリカを中心とした無機系キラルナノ材料精密制御の学問体系と基盤技術の確立に焦点を絞る。特に、シリカネットワーク中のSiO4四面体のねじれ向きを制御することによるアシンメトリーを発現させ、従来のゾルゲル化学では無視されたシリカの立体化学を学術的に明確にし、それをベースにした広範な無機系光学活性材料設計の指針を与え、未来材料におけるキラルシリカ、キラル酸化チタン、キラルゼオライト、キラル酸化物、キラル金属の応用展開の入り口を開く。
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研究成果の概要 |
ポリエチレンイミン(PEI)とキラル有機酸からなる錯体(PT)をキラル源として、そのキラル情報をシリカ、チタニアに転写し、さらに、シリカにまとわるキラリティを2次のキラル情報として、それを金属錯体、金属ナノ粒子、縮合系ポリマー、連鎖重合系ポリマーへと転写できる普遍的なキラル転写系を確立した。キラルシリカの応用において、ラーマン散乱増強にてキラルを利用したアミノ酸エナンチオマー識別、有機または無機発光体を複合させることによる無機/有機、無機/無機の円偏光発光材料構築などに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
キラル無機材料の構築では有機系に比べ、形状キラリティを主眼にすることが多い。要は可視レベルでのねじれ、ヘリックスなどである。本研究の成果はそれらと一線を画し、シリカ・チタニアなどの無機材料構造中の化学結合に由来のキラリティ発現を明らかにしたことで、その応用価値を高めることができた。実際、本研究でのキラルシリカは新しい不斉源として、キラルポリマーの合成、ラマン散乱増強によるエナンチオマー識別、円偏光発光などに展開できた。これらの知見は新しいキラル光学材料の開発に大きな意義を有すると考えられる。
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