研究課題/領域番号 |
19H02771
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35020:高分子材料関連
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
中嶋 健 東京工業大学, 物質理工学院, 教授 (90301770)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2020年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2019年度: 7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
|
キーワード | ナノレオロジー原子間力顕微鏡 / 温度時間換算則 / 動的不均一性 / 粘弾性測定 / フィラー充てんゴム / シフトファクター / ナノレオロジー / 原子間力顕微鏡 / ガラス転移現象 / 分散地図 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では申請者が開発してきたナノレオロジーAFMを用いて、高分子物理学の基礎法則である温度時間換算則がナノスケールで成立するのか否かを調べる。そのために必要な装置開発も行う。これまでの予備的な検討により、ガラス転移現象は空間的不均一性が増幅される現象なのではないかとの仮説に至った。本研究では、この仮説を検証するため、広帯域測定が可能な温度可変ナノレオロジーAFM第三世代を開発し、この現象の解明を行う。ナノスケールの「分散地図」を作成するという最終目的への重要なマイルストーンとなる研究としたい。
|
研究成果の概要 |
本研究では研究代表者が開発してきたナノレオロジーAFMを用いて、高分子物理学における基礎法則である温度時間換算則がナノスケールで成立するのかを調べることを目的に研究を行った。そのために必要な装置開発も行った。制御系を見直すことで、測定時間短縮および測定精度向上を達成し、最大6桁に及ぶ広帯域測定が可能な温度可変ナノレオロジーAFM第三世代を開発できた。また、伸長下にあるゴム材料、動的不均一性を有する試料、フィラー充てんゴムなどを対象に研究を行い、論文発表へ展開することができた。さらに解析に利用する接触力学理論を一から見直すことで定量性を向上させ、バルクDMAと完全一致する結果を得ることができた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
粘弾性はほぼすべての高分子材料がもつ特性であり、その性質を上手に使ってさまざまな応用が展開される。一方、高分子材料は例えばタイヤの材料などを考えても、アロイやブレンドといった形で作成され、根本的に内部に不均一性を内在する。バルクの粘弾性測定はその全体からの応答のみが得られるため、構成要素の働きは想像するしかない。一方、ナノレオロジーAFMはナノメートルスケールで粘弾性測定を行うことができるため、それらの働きを必要な分解能で調べることができる。今回の課題で開発した、定量性がさらに向上したナノレオロジーAFMは、したがって幅広い材料科学の分野で有用な測定手段となる。
|