研究課題/領域番号 |
19H02775
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35020:高分子材料関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
渡辺 宏 京都大学, 化学研究所, 教授 (90167164)
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研究分担者 |
松宮 由実 京都大学, 化学研究所, 准教授 (00378853)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
15,730千円 (直接経費: 12,100千円、間接経費: 3,630千円)
2021年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2020年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2019年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
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キーワード | A型 Rouse 鎖 / 非平衡ダイナミクス / 摩擦低下 / 熱揺動力変化 / 非線形弾性効果 / 流動誘電緩和 / 流動拡散 / 非線形レオロジー / 高分子 / 流動 / 局所摩擦減少 / ネマチック効果 / 非線形弾性増加 / 伸長流動 / ずり流動 / 絡み合い / 局所摩擦 / 鎖の伸長・配向 |
研究開始時の研究の概要 |
高分子量の絡み合いポリスチレン (PS) メルト系では, 鎖の伸長・配向に伴って局所摩擦が減少し, 伸長粘度は低下することが知られている。しかし, (1) この摩擦減少は絡み合いの有無や高分子の化学構造に依らない普遍的現象なのか, (2) 鎖の伸長に加えて回転も誘起する剪断場でも同様に摩擦が減少するのか, などの重要事項は不明であった。本研究では PS も含めた多種の高分子の非絡み合いおよび絡み合い系に対する伸長および剪断流動実験と理論解析を行い, 問い (1) および (2) に関する完全な知見を確立する。
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研究成果の概要 |
非絡み合い高分子に対する Rouse モデルに対して, 局所摩擦 z, バネ強度 k, および熱揺動力強度 B が流動により変化することを考慮して運動方程式を精密解析し, 鎖の末端間ベクトルの揺らぎを反映する誘電損失 e", 流動下の拡散係数, および粘度や第一法線応力差係数というレオロジー量 を z, k, B を用いて解析的に表現することに成功した。その結果, 流動の速度方向の e" の緩和モード分布は流動に影響されないが, この方向の誘電緩和は流動によって加速されることなどの特徴的挙動が明らかとなり, z, k, B を実験的に評価する枠組みが構築された 。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は, 非絡み合い高分子の非線形レオロジー挙動の分子論的基盤を世界に先駆けて構築したものである。特に, 本研究が高分子鎖の摩擦係数, 弾性強度, 熱揺動力強度を実験的に評価することを可能とし, 高分子物理学に大きな進展をもたらしたことは, 学術的に大きな意義を持つ。さらに、本研究の成果は, 高分子樹脂の成形加工性を制御する基盤となり, 現在社会に不可欠の高分子産業にも大きく貢献する。
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