研究課題/領域番号 |
19H02776
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35020:高分子材料関連
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
則末 智久 京都工芸繊維大学, 材料化学系, 教授 (40324719)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2020年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2019年度: 9,880千円 (直接経費: 7,600千円、間接経費: 2,280千円)
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キーワード | 超音波 / 微粒子 / 超音波散乱 / 微粒子分散系 / 超音波散乱法 / 散乱 |
研究開始時の研究の概要 |
濃厚溶液中のナノ・ミクロン微粒子の分散状態を、希釈・乾燥することなくそのままの状態で評価する超音波法による構造・物性研究を行う。この超音波散乱解析は、微粒子から散乱する信号を捉え、運動状態やミクロ構造を解析する新しい手法である。本研究では、液体中に分散する微粒子の(1) 粒径分布、(2) 液中の粒子1個の弾性率に加えて、新たに(3)電場や力学的刺激に対する応答を同時に定量化できる超音波システムを開発する。特に、燃料電池電極用スラリーの分散安定性、Pickeringエマルションの局所構造解析、抗原抗体反応のモニタリング、ナノバブルの検出など、気体・液体・固体を問わない分散系の新しい解析を行う。
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研究成果の概要 |
化粧品、塗料、電池の電極材料をはじめとして、微粒子と液体の混合物は我々の身の回りで様々な用途で活用されている。微粒子が液体中に均一に分散し、長期的にも安定に存在することが望ましいが、従来ではこの状態を調べるために着色した試料や濃度が非常に高い試料は希釈を余儀なくされることが多かった。我々は胎児のエコー診断で使われる超音波を、1億分の1メートル程度の非常に小さな微粒子で解析する技術を開発した。さらにこのようなナノ粒子・ミクロン粒子の大きさだけでなく、粒子の硬さや表面の帯電状態を液体中で無希釈で解析することを実現した。さらに大きな油滴の周りに集まった粒子の状態などのさらに高度な解析も実現した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
微粒子の構造や物性の基礎的な解析法は、ほぼ確立されているが、比較的希薄で、かつ光の波長程度の構造体に限定されてきた。粒子の集合体はナノからミクロンにも及ぶことがあり、基礎学術的な理解に加えて、産業界で分散性の制御や安定性の確認を行うためには、定量的かつ無希釈で解析できる従来の限界を克服した手法の開発が必要不可欠である。その点で、本研究で開発した超音波散乱法は、ナノからマイクロメートル領域の構造体に対し、粒子の大きさはもちろん、硬さや表面特性を評価することを可能にしており、今後様々な微粒子分散系の特性解析において有用な技術になると期待される。
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