研究課題/領域番号 |
19H02777
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35020:高分子材料関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
井上 正志 大阪大学, 理学研究科, 教授 (80201937)
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研究分担者 |
浦川 理 大阪大学, 理学研究科, 准教授 (70273539)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 13,000千円 (直接経費: 10,000千円、間接経費: 3,000千円)
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キーワード | 粘弾性 / 半屈曲性高分子 / 緻密からみ合い / 動的複屈折 / からみ合いの普遍性 / 配向緩和 / Morse理論 / 曲げモード / 応力光学則 / 補強効果 / からみ合い / 繊維補強 / 流動光学 / 複屈折 / レオロジー / 配向緩和モード / 伸長モード / からみ合い高分子 |
研究開始時の研究の概要 |
高分子の物性は,ガウス鎖を用いて表されることが多いが,DNAや多糖などの多くの天然高分子は,硬さの目安となる持続長が長く半屈曲性高分子である.半屈曲性高分子の物性研究はこれまで行われてきたが,粘弾性に関してはからみ合い系のデータが欠如しているなど,不十分で未解明の部分が多く残されている.特にからみ合い長が持続長より短くなる緻密絡 み合い系は,全く研究が行われていない.最近,我々は予備的な実験を成功させたので,本研究ではその結果を発展させ,緻密絡み合い系を含めた半屈曲性高分子溶液の粘弾性の全容 を解明することを目的とする.
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研究成果の概要 |
屈曲性高分子の粘弾性は,セグメントの配向によるエントロピー弾性で記述できるが,半屈曲性高分子の場合には,配向に加えて,曲げモードと伸長モードが寄与すると予測されているが,その詳細は未解明であった.本研究では,ナノセルロースをはじめとするモデル高分子を用いて,希薄領域の粘弾性と複屈折緩和がMorse理論で記述できることを明らかにした.さらに,流体力学的相互作用と位相幾何学的相互作用を考慮することで,高濃度域での粘弾性を予測可能にした.さらに,半屈曲性高分子に特有な緻密からみ合い域の粘弾性の緩和機構を初めて明らかにした.また,からみ合い密度と分子構造の関係に関する普遍的な関数も明らかにした.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
持続可能な社会の実現のために,セルロースナノファイバーなどの天然由来の新材料を有効に使うことが望まれている.本研究では,ナノファイバーが半屈曲性高分子として振る舞うことを着目し,その粘弾性と補強効果に関する基礎的かつ普遍的な知見を,希薄域から濃厚域まで初めて系統的に明らかにした.ナノファイバーならではの,細さに由来する熱運動により励起される曲げと伸長モードの寄与をあきらにしている.本研究の成果を基に,天然由来のナノファイバーを用いた材料の物性に関して,その制御と向上が達成できると期待される.
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