研究課題/領域番号 |
19H02779
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35020:高分子材料関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
奥村 泰志 九州大学, 先導物質化学研究所, 准教授 (50448073)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
18,330千円 (直接経費: 14,100千円、間接経費: 4,230千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 16,250千円 (直接経費: 12,500千円、間接経費: 3,750千円)
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キーワード | 液晶 / 高分子 / 顕微鏡 / 超解像顕微鏡 / 共焦点レーザー走査顕微鏡 / 高分子安定化ブルー相 / スピノーダル分解 / 粘弾性相分離 / Storm / STORM / PSBP |
研究開始時の研究の概要 |
高分子安定化ブルー相中の高分子が形成する相分離構造を超解像光学顕微鏡で観察すると共に、その電気光学特性および耐久性との関係を調べることで、ブルー相の安定化で高分子が果たす役割を解明する。さらに、粘弾性相分離による直線的な高分子ネットワークを形成して安定化した「粘弾性相分離型高分子安定化ブルー相」を実現し、長期の耐久性が求められる製品での使用に耐える高分子安定化ブルー相を提供する。
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研究成果の概要 |
自発的に明滅する蛍光色素を高分子安定化ブルー相(PSBP)や高分子安定化キラルネマチック相中の高分子に組み込むことで、超解像顕微鏡の一種である確率的光学再構築顕微鏡による観察を行い、相分離による高分子構造を、光学分解能を超える分解能で観察することに成功した。この知見を生かしてPSBP中の高分子濃度の低減を行い、従来よりも高分子の濃度を約半分に削減すると共に、駆動電圧を大幅に低減することに成功した。高分子安定化キラルネマチック相中の線欠陥に局在化する高分子凝集構造の観察には成功したが、PSBP中の線欠陥に沿って局在化するナノメートルスケールの高分子凝集構造の観察には至らなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
超解像顕微鏡はノーベル賞を受賞するほど広く認知された技術であるが、観察対象は生物系試料が大半であり、物性研究に応用された例は少ない。これまでは溶媒を水とする試料で観察されており、疎水的な有機溶媒や液晶を溶媒とする試料の観察は報告されていない。本研究は疎水性液晶にも溶解する蛍光色素のブリンキングを活用して超解像顕微鏡観察を行っており、超解像顕微鏡の活躍の場を広げる点で学術的意義は大きい。材料開発の観点からは、標準的な試料から高分子濃度を半分近くに低減しても低温まで安定な高分子安定化ブルー相を実現し、その駆動電圧は従来よりも29%低減されており、社会の期待に応える材料開発が実現できたと考えている。
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