研究課題/領域番号 |
19H02788
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35030:有機機能材料関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松田 建児 京都大学, 工学研究科, 教授 (80262145)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2019年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | 分子エレクトロニクス / 開殻分子 / 励起状態 |
研究開始時の研究の概要 |
開殻分子のスピンが関与した光化学、分子エレクトロニクスには広大な興味深い領域が存在することを申請者は認識した。本研究では、分子エレクトロニクス分野に「光」と「スピン」のキーワードを導入し、励起状態と開殻分子が関与するユニークな電子物性を見出し、新たな分子エレクトロニクス機能を実現することを目的とする。励起状態と開殻分子が関与する分子電導はどのようなものであるか、どのように制御できるのか、というのが本研究課題の核心をなす学術的「問い」である。
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研究成果の概要 |
ジアリールエテン縮環体を間に持つビスイミノニトロキシドを合成し、縮環体を介したスピン間の交換相互作用をESRの線形より見積もり、縮環体が閉環体と同様に優れた電子輸送能を持つことを明らかにした。アームチェア型グラフェンナノリボンの電子輸送能を交換相互作用の減衰定数の計算により見積もり、幅がN=3n-1のときに優れた電子輸送能を持つことが分かった。STMの見かけの高さ測定により、ラジカル置換基がある場合とない場合の分子ワイヤ間で単一分子コンダクタンスを比較した。 STM画像の統計分析により、ラジカル置換ワイヤは、非ラジカル置換リファレンスよりもコンダクタンスが大きいことが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、ESRの線形から見積もられる交換相互作用の見積もり、計算によって得られた交換相互作用の減衰定数、STM測定高さによる分子コンダクタンスの見積もり、などの手法により、優れた電子輸送特性を有する分子骨格はどのようなものであるかを示すことができた。今後より高度な機能をもつ分子回路の設計に重要な知見が得られたと言える。
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