研究課題/領域番号 |
19H02802
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分36010:無機物質および無機材料化学関連
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
梶原 浩一 東京都立大学, 都市環境科学研究科, 教授 (90293927)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
16,770千円 (直接経費: 12,900千円、間接経費: 3,870千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2019年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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キーワード | シリカガラス / 光活性中心凝集体 / 希土類イオン / エネルギー移動 / ナノ結晶 / シリカ |
研究開始時の研究の概要 |
一般に、発光中心は凝集すると発光効率が著しく低下する。この現象は「濃度消光」として知られており、多くの固体発光材料で、発光中心の高濃度化を阻んできた。しかし、凝集体がナノサイズで消光中心をほとんど含まない場合、濃度消光と、凝集体のレイリー散乱による透過損失が、ともに解消できる可能性がある。 本研究は、優れた透明性、強い光・放射線・化学腐食に対する耐久性を兼備したシリカガラス中に希土類イオンなどの発光性光活性中心の高濃度ナノ凝集体を形成することで、高効率発光と近接した光活性中心間での高効率エネルギー移動を両立させるもので、過酷環境下やエネルギー変換で使用できる堅牢な発光材料の実現を目指す。
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研究成果の概要 |
一般に、希土類イオンなどの光活性中心は凝集すると発光効率が低下する。この現象は「濃度消光」として知られており、多くの固体発光材料で光活性中心の高濃度化を阻んできた。他方、もし消光中心が存在しなければ、光活性中心が高濃度凝集しても消光を抑制できる可能性がある。この構想に基づき、希土類イオンの高濃度凝集体を含むシリカガラスで、エネルギー移動を利用し、高効率な発光材料の開発を目指した。直径~5-10nmの希土類オルトリン酸塩ナノ結晶を含むシリカ-REPO4透明結晶化ガラスで、発光の内部量子効率がほぼ1で、濃度消光を示さず、自由なエネルギー移動と高効率発光が共存した可視・紫外発光材料の開発に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「濃度消光」という表現は学術用語として広く使われており、光活性中心が凝集すると必ず発光効率が下がるような印象を与えている。これに対し、本研究では、「濃度」と「消光」は必然関係にはなく、消光中心をなくすことで濃度消光を回避できる場合があることを実証した。シリカガラスは優れた透明性、強い光・放射線・化学腐食に対する耐久性、光ファイバーなどへの自由な成形性を兼備したガラスであることから、本研究で得られた知見は特に過酷環境下やエネルギー変換で使用できる堅牢な高効率透明発光材料の開発に有用であると期待される。
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