研究課題/領域番号 |
19H02824
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37010:生体関連化学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
山本 泰彦 筑波大学, 数理物質系, 教授 (00191453)
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研究分担者 |
鈴木 秋弘 長岡工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (60179190)
百武 篤也 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (70375369)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2020年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 10,270千円 (直接経費: 7,900千円、間接経費: 2,370千円)
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キーワード | 四重鎖DNA / Gカルテット / ヘム / 酸化触媒作用 / 機能性核酸 / G-カルテット / 分子認識 / 触媒機構 / テロメア / 軸配位子 / 高原子価金属オキソ種 |
研究開始時の研究の概要 |
四重鎖DNAまたは四重鎖RNAとヘムの複合体が示す酸化触媒作用の分子機構を、反応中間体として生成するオキソ鉄4価ポルフィリンπカチオンラジカル錯体の反応性の制御機構の解明を通して明らかにする研究である。そして、高温および有機溶媒との混合水溶液中でも利用できると共に、簡便に大量合成可能な画期的酵素を創製するために有用な知見を得る。本研究を通して、ヘムをもつ核酸酵素の酸化触媒活性の発現で鍵となる反応中間体である高酸化状態の鉄ポルフィリン錯体が生成する分子機構が解明されることになり、生物無機化学における革新的ブレークスルーにつながる研究成果が得られる。
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研究成果の概要 |
ヘムタンパク質の補欠分子族として生物界に遍在するヘムは、グアニン四重鎖のG-カルテットに特異的に結合し、触媒作用を示すヘムDNA酵素と言える分子を生成する。本研究では、ヘムDNA酵素における酸化触媒活性発現の分子機構の解明に成功した。 ヘムDNA酵素の酸化触媒サイクルにおいて、Compound Iと呼ばれるオキソ鉄4価ポルフィリンπカチオンラジカル錯体が反応中間体として生成すること、ヘム鉄に軸配位子として結合する水分子がCompound Iの生成に重要な役割を担っていること、Compound Iの生成はヘム近傍の構造化学的環境を通して調節可能であること、を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、ヘムDNA酵素におけるヘムの機能の調節機構が解明された。ヘムDNA酵素の触媒サイクルでは、酵素ペルオキシダーゼとは異なる分子機構で、オキソ鉄4価ポルフィリンπカチオンラジカル錯体(Compound I)が反応中間体として生成することが明らかになった。ヘムDNA酵素のヘム鉄の軸配位子である水分子が、Compound Iの生成に重要な役割を担っていること、ヘムDNA酵素が示すヘムタンパク質類似の様々な分光学的性質をもたらしていることを発見した研究成果は、水分子の新しい機能および疎水性空間で孤立する水分子のユニークな物理化学的性質が解明されたという観点から、学術的な意義は大きい。
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