研究課題/領域番号 |
19H02825
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37010:生体関連化学
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
高谷 直樹 筑波大学, 生命環境系, 教授 (50282322)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2019年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
|
キーワード | サーチュイン / 糸状菌 / ヒストン / 脱アセチル化 |
研究開始時の研究の概要 |
微生物の二次代謝産物には、医農薬を含む生物活性物質などの有用化合物が多く知られている。これを支える多様な二次代謝系研究には広範な微生物種の探索研究も重要であるが、通常は発現していない潜在的な二次代謝系を人為的に発現させることも重要である。近年、糸状菌の多くの二次代謝系の発現はエピジェネティック抑制を受けていることが判明してきた。そこで、本研究では、遺伝子のエピジェネティクス発現制御に関わるサーチュイン(糸状菌由来)の阻害機能を持つ化合物を探索・精製し、汎用型の二次代謝系発現誘引物質(糸状菌用)として利用する。
|
研究成果の概要 |
糸状菌の多様な二次代謝産物の開発のためには、糸状菌が通常は生産しない二次代謝産物を人為的に生産させることが重要である。本研究は、糸状菌の二次代謝系遺伝子の発現を抑制するサーチュインの阻害機能を持つ化合物を探索した。糸状菌Aspergillus nidulansのサーチュインアイソザイムであるSirCとSirDが多くの二次代謝産物の生産を抑制することが示されたことから、これらのヒストン脱アセチル化活性を阻害する糸状菌の培養抽出物を探索した。その結果、この化合物を生産する複数の糸状菌を得ることができた。これらは、糸状菌が作る医農薬を含む生物活性物質などの多くの有用化合物の利用に貢献する。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒストン脱アセチル化の阻害剤の観点では、ヒト由来のサーチュイン阻害剤をカビの培養に添加することによって、いくつかの潜在的な二次代謝が生産されることが見出されている。本研究は、カビ由来のサーチュインアイソザイムの阻害剤を探索する点で、これまでとは異なるカビの二次代謝産物生産への利用のために適した阻害剤の発見につながる。また、本研究成果は、サーチュインとはタイプの異なるHADおよびメチル化やSUMO化によるヒストン修飾を介した二次代謝産物の生合成遺伝子の発現調節の研究や、これらの修飾を制御する低分子化合物の利用の可能性を提唱するものとして重要である。
|