研究課題/領域番号 |
19H02827
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37010:生体関連化学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
野村 渉 広島大学, 医系科学研究科(薬), 教授 (80463909)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2019年度: 7,410千円 (直接経費: 5,700千円、間接経費: 1,710千円)
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キーワード | ゲノム編集 / CRISPR-Cas / アンチクリスパー / オフターゲット作用 / タンパク質間相互作用 / 細胞周期 |
研究開始時の研究の概要 |
ゲノム編集技術、CRISPR-Casシステムでは医療・育種など安全性が重要になる分野ではオフターゲット作用が懸念される。本課題ではCas9を阻害するAnti-CRISPRと細胞周期依存的に発現量が変化するCdt1を組み合わせた場合に、より正確性の高いDNA修復機構であるHR/HDRの効率が向上し、オフターゲット作用が劇的に抑制される新規手法の発見を基に、その動作原理の正確な解明とシステムの適応範囲の拡張を目的とした。細胞周期をヒントに修復関連タンパク質の作用とリンクさせ、作用メカニズムを明らかにする。また、新規カウンター分子を見出し、普遍的なオフターゲット作用抑制技術として展開する。
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研究成果の概要 |
ゲノム編集技術の正確性と安全性を高める細胞周期依存型ゲノム編集方法について、細胞内での作用メカニズムについて転写活性化の仕組みを利用してanti-CRISPRとCas9の相互作用タイミングなどを観察することに成功した。また、複数の標的遺伝子で正確なゲノム編集が行えることが示され、広い適用範囲が期待できる結果が得られた。発現タイミングの異なるGemininを利用した検討も行い、Cdt1の有用性が改めて確認できたが、Gemininの利用方法に関する示唆も得ることができた。細胞周期依存型ゲノム編集のin vivoへの応用に関してアデノ随伴ウイルスに搭載可能なSaCas9を取り入れた検討も行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
オフターゲット作用の低減に関する研究は国外のグループによる開発競争が激化しており、特に安全面が重要となる医療分野、育種・品種改良分野での応用においては非常に重要な要素技術になる。今回の成果で、anti-CRISPRを利用したオフターゲット作用の抑制について、細胞内でのCas9との相互作用メカニズムを明らかできたことで、さらに正確性の高いゲノム編集法へと改良できる可能性が示された。anti-CRISPRの医療や産業への応用は比較的進んでいないため、正確性の高いゲノム編集法のin vivoなどへの応用だけでなく、新しい活用方法にもつながる成果が得られたと考えられる。
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