研究課題/領域番号 |
19H02833
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37010:生体関連化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤田 大士 京都大学, 高等研究院, 准教授 (20713564)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2021年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2020年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2019年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
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キーワード | 自己集合分子 / ホスト-ゲスト化合物 / タンパク質 / パラジウム / 自己集合 |
研究開始時の研究の概要 |
従前の「点と点の結合」に基づく有機化学的手法ではなく、「周辺空間を取り囲む」超分子的手法に基づく、タンパク質(酵素)の修飾・動態制御に挑戦する。人工ケージ内に空間的に拘束されたタンパク質は、安定性が向上する事が期待される。この手法により、常温あるいは40℃を超える高温でも安定保存可能なタンパク質の実現を目指す。タンパク質製剤(バイオ医薬品およびワクチン類)はその有効性から、今や不可欠の存在となっている。しかし、冷蔵冷凍インフラが整っていない発展途上国は、輸送・保存上の問題からその活用に課題を抱えている。本研究では、タンパク質の空間修飾技術の出口応用の一つとして標記課題のコンセプト実証に挑む。
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研究成果の概要 |
タンパク質の近傍空間を化学構造体により取り囲む、すなわち空間的な修飾を施すアプローチにより、内部に包接したタンパク質を安定化。通常では変性してしまう条件下でも、安定した保存を可能とする方法論開発を行った。モデルタンパク質と してクチナーゼ様タンパク質を用いその安定化効果を検討したところ、熱、変性剤、有機溶剤に対して著しい安定化が得られた。特に有機溶剤に対しては1000倍を超える安定化効果が得られた。また部分的に変性してしまったタンパク質も、凝集等が生じることもなく、有機溶剤濃度を低下させれば再びリフォールディングが生じた。すなわち同手法により、新しいタンパク質の安定化法の概念提唱に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
タンパク質や核酸といった生体分子は、科学者の研究対象に留まらず、近年はワクチンや医薬品の新しいモダリティーとして大きく存在感を増している。しかしCOVID-19に対するmRNAワクチンでも話題になった通り、生物製剤の輸送や保管には、管理された低温環境(コールドチェーン)が不可欠であり、特に発展途上国ではその普及が困難である。本研究は、新概念の生体分子安定化法の実現に成功し、上記課題の解決に新しい方法論を提唱するものである。
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