研究課題/領域番号 |
19H02843
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37020:生物分子化学関連
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研究機関 | 公益財団法人サントリー生命科学財団 |
研究代表者 |
島本 啓子 公益財団法人サントリー生命科学財団, 生物有機科学研究所・構造生命科学研究部, 特任研究員 (70235638)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
18,200千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 4,200千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 13,910千円 (直接経費: 10,700千円、間接経費: 3,210千円)
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キーワード | 糖脂質 / 膜挿入 / シャペロン / 生体膜 / 糖鎖 / 疎水性相互作用 / 膜タンパク質 / ピロリン酸 / 疎水性タンパク質 / 相互作用 / 凝集 |
研究開始時の研究の概要 |
我々は、膜タンパク質膜挿入に関わる糖脂質MPIaseを同定した。これまでの結果から、糖鎖部分が基質タンパク質を認識して凝集を抑制し、膜挿入に適したタンパク質構造を維持する「シャペロン様活性」を示すことを明らかにしている。この活性機構は、タンパク質が糖鎖を量論的に認識するレクチン様のものとは異なり、糖鎖が疎水性タンパク質を多点で認識する新しいタイプの相互作用と考えられる。本研究では、合成した糖鎖類縁体を用いて、糖鎖-タンパク質相互作用を物理化学的に定量解析し、糖鎖がタンパク質を認識する化学的要因を明らかする。また、この知見を基に、人工糖鎖シャペロンの創製にも挑戦する。
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研究成果の概要 |
我々は、大腸菌内膜への膜タンパク質膜挿入において、MPIase(membrane protein integrase)と呼ばれる糖脂質が必須であることを明らかにしている。本研究では、MPIaseおよび合成類縁体とモデル基質タンパク質の分子間相互作用を物理化学的手法により解析した。表面プラズモン共鳴や飽和移動差核磁気共鳴の解析から、MPIaseのグルコサミン上の6-O-アセチル基とリン酸が、基質タンパク質の疎水性領域や塩基性アミノ酸との相互作用に重要であることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来から知られている膜挿入因子は全てタンパク質であり、MPIaseは非タンパク質性の糖脂質がはたらく初めての例である。今回、我々はMPIaseの長い糖鎖部分が疎水性の高い基質タンパク質を素早く捕捉し凝集抑制することを実証した。MPIaseがタンパク質を捕捉する機構を調べることで、膜挿入機構の全容が明らかになるだけでなく、新しい機能をもった糖脂質を探索する手がかりになると考えられる。
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