研究課題/領域番号 |
19H02848
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37030:ケミカルバイオロジー関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐藤 伸一 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 助教 (20633134)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
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キーワード | タンパク質化学修飾 / チロシン / ヒスチジン / proximity labeling / 熱変性 / タンパク質表面 / チロシン残基 / ヒスチジン残基 / タンパク質ラベル化 / 標的同定 / CETSA |
研究開始時の研究の概要 |
生物活性物質の作用メカニズムを明らかにする目的において、その標的(タンパク質)同定は重要である。これまでの標的同定研究においては、生物活性物質(化合物)を特定の機能団で標識したプローブ分子が必要であった。しかし、機能団の導入により活性が消失すること、機能団の導入位置や種類に検討を要する場合も多く、構造が複雑な化合物においてはプローブ分子の合成が困難で大きな研究障壁となる場合も多々ある。 そこで本研究においては、研究代表者の見出したタンパク質ラベル化法を駆使することで、生物活性物質をプローブ化することなく、標的同定を可能にする手法を確立する。
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研究成果の概要 |
本研究では、非変性時においては、タンパク質内部構造に埋もれており、熱変性過程において、タンパク質の表面に露出する芳香族アミノ酸残基の特徴に着目した。これらの残基に対する化学修飾法の開発に取り組んだ。 我々が開発したチロシン残基特異的ラベル化反応は、タンパク質表面に露出したチロシン残基で起こるため、タンパク質の熱変性度を高精度に可視化できる手法になると考え、実用的かつ効率的なタンパク質構造中のチロシン残基修飾法を開発した。 また、本研究の副次的な成果によって、タンパク質のヒスチジン残基を修飾する手法の開発に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究ではタンパク質熱変性を可視化する手法を目指し、タンパク質構造上の芳香族アミノ酸残基の化学修飾法を開発した。本研究によって開発されたチロシン残基修飾法は従来法に比べ効率が高く、タンパク質表面上のチロシン残基に選択性が高いという特徴がある。本手法はタンパク質製剤の機能化、タンパク質間相互作用に寄与する部位構造の状態解析、翻訳後修飾状態の解析等、種々の用途での活用が期待できる。 また、本研究によって開発された触媒の近接環境で完結するヒスチジン残基修飾反応は、プロテオミクス解析技術と組みわせることによって、タンパク質の会合状態の把握を可能にする重要な基盤技術になると期待される。
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