研究課題/領域番号 |
19H02854
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37030:ケミカルバイオロジー関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
進藤 直哉 九州大学, 薬学研究院, 助教 (20722490)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2021年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
2020年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2019年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
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キーワード | コバレントドラッグ / ビシクロブタン / システイン / タンパク質 / 不可逆阻害剤 / 分子ひずみ / チロシンキナーゼ / BTK / ABPP / ケミカルプロテオミクス / 創薬化学 / ケミカルバイオロジー / コバレント阻害剤 / プロテオミクス / キナーゼ阻害剤 / システイン修飾 |
研究開始時の研究の概要 |
コバレントドラッグが標的タンパク質と不可逆的に結合する利点を安全に活かすには、高い標的選択性の実現が不可欠である。申請者は有機化学的観点から、標的選択性を高めるための新たな反応基を探索してきた。本研究ではシステイン残基に対する新たな反応基として、従来のマイケルアクセプターやα-ハロアセタミドとは構造が大きく異なる、ビシクロブタンを検討する。また、可逆的なリガンドだけでなく反応基自身もタンパク質選択性に影響するという独自の視点のもと、リガンドと反応基の組み合わせによる選択性変化を定量的に解析するプロテオミクス研究を展開し、次世代のコバレント阻害剤開発に資する有益な知見を提供する。
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研究成果の概要 |
共有結合で標的タンパク質機能を不可逆的に阻害するコバレントドラッグは、強く持続的な薬効などの利点の反面、標的以外の分子との非特異反応は毒性につながる懸念がある。近年、標的選択的に反応するよう論理的にデザインされたコバレントドラッグの開発が盛んだが、システイン残基を狙った反応基のバリエーションはごく限られていた。本研究では、新たなシステイン指向型反応基として、特異なひずみ構造を持つビシクロブタンアミド (BCBアミド) を見出し、不可逆的チロシンキナーゼ阻害剤に応用した。また、ケミカルプロテオミクスにより、反応基ごとに反応しやすいタンパク質が異なることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
コバレントドラッグの利点を活かしつつ毒性のリスクを避けるためには、高い標的タンパク質選択性の確保が必要不可欠である。本研究では、既存のシステイン指向反応基とは構造的に大きく異なるビシクロブタンアミドがコバレントドラッグに応用可能であることを示し、反応基のレパートリー拡大に成功した。また、反応基ごとにタンパク質の「好み」があるという点は、今後のコバレントドラッグ創薬においても重要な知見である。
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