研究課題/領域番号 |
19H02856
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37030:ケミカルバイオロジー関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
喜井 勲 信州大学, 学術研究院農学系, 教授 (80401561)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2022年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2019年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
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キーワード | リン酸化酵素 / フォールディング中間体 / DYRK1A / 非天然状態 / 無細胞タンパク質合成 / 熱力学的平衡状態 / 温度ジャンプ / 阻害剤 / キノーム / 自己リン酸化 / 酵素活性 / フォールディング / 低分子化合物 / スクリーニング / 質量分析 |
研究開始時の研究の概要 |
リン酸化酵素に対する低分子阻害剤は、選択性を上げることが難しく、副作用が出やすいことが、創薬研究での解決すべき課題である。代表者は、リン酸化酵素DYRK1Aに対する低分子阻害剤の作用機序を研究する中で、DYRK1Aのフォールディング途中に、一過的に存在する「中間体構造」が触媒する自己リン酸化反応を阻害する低分子化合物FINDYを発見し、それはリン酸化酵素ファミリー間で高い選択性を示すことを見出した。本研究では、この概念を全518種類のタンパク質リン酸化酵素へと拡張し、リン酸化酵素フォールディング中間体に対して、化合物がどのような阻害プロファイルを示すかを網羅的に評価する実験系を構築する。
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研究成果の概要 |
本研究では、リン酸化酵素のフォールディング中間体を標的とした低分子創薬を汎用化するための概念と技術の確立を行った。具体的には、中間体阻害の概念を強固にするため、リン酸化酵素DYRK1Aとそのフォールディング中間体選択的阻害剤FINDYの結合様式を解明した。汎用技術を確立するため、タンパク質の熱力学的平衡状態に着目した新技術「温度ジャンプ」を構築した。本技術はリン酸化酵素DYRK1Aをモデルとして実験系の構築を行い、他のリン酸化酵素にも適用可能であることを確認した。本概念と技術の確立により、リン酸化酵素のみならず他のタンパク質に適用可能なフォールディング中間体選択的阻害の創薬技術基盤を構築した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は、リン酸化酵素のフォールディング中間体が低分子創薬の標的となり得ることを実証した。これは従来の精製タンパク質が有する阻害剤結合ポケット以外にも、構造多様性が確保できることを意味し、低分子創薬における標的ケミカルスペースの拡張につながると期待される。また、「温度ジャンプ」は様々なタンパク質に適用できる技術であり、既存のスクリーニング評価系に容易に組み込むことができるため、製薬企業や創薬ベンチャーが実施する大規模化合物ライブラリを対象としたスクリーニングに搭載することで、これまで見過ごされてきた新しいタイプの阻害剤の発見につながると期待される。
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