研究課題/領域番号 |
19H02857
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38010:植物栄養学および土壌学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
徳富 光恵 (宮尾光恵) 東北大学, 農学研究科, 教授 (70181980)
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研究分担者 |
金 容賢 東北大学, 農学研究科, 助教 (00871188)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2021年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2020年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2019年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
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キーワード | 高CO2応答 / 葉の発達段階 / シグナル伝達 / イネ |
研究開始時の研究の概要 |
イネを用いて高CO2環境を伝達する長距離シグナルの探索を行い、10キロダルトン以下の低分子量タンパク質が、発達中の葉に高CO2環境を伝達する長距離シグナルとして機能する可能性を見いだした。同定した2種類の低分子量タンパク質それぞれについて、実際に長距離シグナルとして機能するか調べるとともに、当該タンパク質遺伝子への変異導入でイネの高CO2応答を人為的に改変できるか検討する。
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研究成果の概要 |
高CO2環境を伝達する長距離シグナルの候補タンパク質がシグナルとして機能するか検討した。候補タンパク質が器官間を移動でき、イネ葉身で産生されたのち基部に輸送される可能性が示された。しかし、候補タンパク質と協同的に働くと予想していた代謝物は高CO2処理で増えないことがわかり、当初想定していた仮説の検証には至らなかった。候補タンパク質をイネ葉身で過剰発現させても、生育はほとんど影響を受けず、高CO2応答と同様の表現型も観察されなかった。これは、候補タンパク質単独ではシグナルとして機能できないこと、翻って、変異を導入した候補タンパク質の過剰発現で高CO2応答のみを改変できる可能性を示している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
2002年に高CO2環境を伝達する長距離シグナルの存在が提唱されたが、未だシグナルの実体は明らかにされていない。我々は、イネを材料に、高CO2応答の初発反応の解析系を世界に先駆けて確立した。この解析系を用い、シグナル候補とされていた物質(e.g.,高CO2環境下で過剰産生される炭水化物、植物ホルモン)は直接的なシグナルではないことを示し、本研究課題で提唱した仮説にたどり着いた。残念ながら仮説の実証には至らなかったが、本研究課題で作製した候補タンパク質過剰発現イネを用いることによって、シグナルの実体の解明が大きく進み、変異導入によるイネの高CO2応答の改変に結びつくものと期待される。
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