研究課題/領域番号 |
19H02868
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
田岡 東 金沢大学, 生命理工学系, 准教授 (20401888)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
16,770千円 (直接経費: 12,900千円、間接経費: 3,870千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2020年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2019年度: 10,270千円 (直接経費: 7,900千円、間接経費: 2,370千円)
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キーワード | 細菌 / オルガネラ / イメージング / 細胞骨格 / 磁性細菌 / アクチン / 磁気感知 / 原核細胞 / 磁性 |
研究開始時の研究の概要 |
磁性細菌は、MamK細胞骨格とマグネトソームと呼ばれる磁気オルガネラの相互作用によってナノサイズの棒磁石のような構造を形成し、地磁気を感知できる高感度な磁気センサーをもつ。細菌は微小な細胞内でどのようにして、ナノサイズのオルガネラの細胞内配置を制御しているのだろうか。原核細胞オルガネラの形成や制御の分子機構は、真核細胞のそれと比較して未知である。マグネトソームは、オルガネラ形成と制御に関わる蛋白質群が同定されており原核細胞オルガネラのモデルとして適している。本研究では、高速原子間力顕微鏡や全反射蛍光顕微鏡などの分子イメージング技術によりマグネトソーム制御の分子機構に挑む。
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研究成果の概要 |
本研究では、磁性細菌の細胞内磁気センサーであるマグネトソームの細胞内配置を制御するための仕組みを明らかにすることを目指し、MamK細胞骨格結合蛋白質であるMamJの機能を明らかにした。MamJおよびアクチン様蛋白質MamKを精製し、主に高速原子間力顕微鏡を用いてMamK重合におけるMamJの役割を検証した。その結果、MamJは、MamK繊維に結合し、短く動的な細胞骨格繊維を形成させることが分かり、新しい細菌細胞骨格の調節蛋白質であることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
微小な細菌の細胞内にも多様なオルガネラや細胞骨格系が存在する。しかし、このようなナノサイズの細菌オルガネラの役割や、細胞骨格による制御機構は、真核細胞のオルガネラと比較して未知である。マグネトソームは、その形成と制御に関わる蛋白質群が同定されており、細菌オルガネラのモデルとして適している。本研究では、細胞骨格MamKとその結合蛋白質MamJが、どの様な特性の細胞骨格繊維を形成するかを分子レベルで調べ、マグネトソーム表層に形成される細胞骨格の実態を明らかにした。この結果は、細胞骨格による細菌オルガネラの制御機構に知見をもたらし、細菌オルガネラを用いた応用研究にも貢献できる。
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