研究課題/領域番号 |
19H02874
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
樋口 裕次郎 九州大学, 農学研究院, 准教授 (50732765)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2020年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2019年度: 11,180千円 (直接経費: 8,600千円、間接経費: 2,580千円)
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キーワード | 黄麹菌 / Aspergillus oryzae / 初期エンドソーム / 有用物質生産 / アミラーゼ / コウジ酸 / smFISH / mRNA / 分泌タンパク質 / 二次代謝産物 / mRNA局在 / 細胞内動態 / 有用酵素 |
研究開始時の研究の概要 |
黄麹菌Aspergillus oryzaeは、日本において古くから発酵・醸造産業で用いられてきた有用微生物であり、高い安全性でアミラーゼなどといった有用酵素タンパク質を菌体外に大量に分泌する能力を持つ。こうした経緯から、2006年の日本醸造学会大会において、黄麹菌は正式に“国菌”に認定されている。しかし、その “国菌”黄麹菌が、なぜ有用酵素タンパク質を大量に分泌生産できるのかに関して、詳細な分子機構は未だ明らかになっていない。本研究では、黄麹菌を用いたさらなる有用物質分泌高生産を目指し、細胞内膜交通、とりわけ初期エンドソーム動態と有用物質分泌の分子機構および関連性の解明を目的とする。
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研究成果の概要 |
黄麹菌Aspergillus oryzaeを含む糸状菌において、初期エンドソームは恒常的な長距離動態を示す。本研究では、初期エンドソーム動態が黄麹菌における有用二次代謝産物であるコウジ酸分泌生産にも遺伝子発現レベルで関与することを示した。また、転写物を細胞生物学的に解析する手法として、single-molecule fluorescence in situ hybridization (smFISH) 法を確立し、アミラーゼmRNAが転写される部位を明らかにした。さらに、mRNAを生細胞解析するMS2システムを導入し、初期エンドソーム動態に依存しないアミラーゼmRNAの動態を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
黄麹菌Aspergillus oryzaeは、我が国の発酵・醸造産業で用いられる有用微生物であり、高い安全性でデンプン分解酵素であるアミラーゼなどの有用タンパク質を多量に生産します。また、黄麹菌細胞内において、初期エンドソームと呼ばれる細胞小器官がダイナミックに動き回っていることがわかっていました。本研究では、この初期エンドソーム動態が、黄麹菌の生産する美白作用を有するコウジ酸生産にも関与することを示しました。一方で、アミラーゼmRNAの細胞内動態には初期エンドソーム動態は関与しないことを明らかにしました。今後、一層の有用物質生産に向けて、黄麹菌の分子細胞レベルでの研究の進展が期待されます。
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