研究課題/領域番号 |
19H02875
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
酒井 謙二 九州大学, 農学研究院, 教授 (50205704)
|
研究分担者 |
田代 幸寛 九州大学, 農学研究院, 准教授 (90448481)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2021年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2019年度: 8,450千円 (直接経費: 6,500千円、間接経費: 1,950千円)
|
キーワード | 自家熱型高温好気消化(ATAD)法 / 複合微生物工学 / 液肥 / し尿処理 / SDGs / 総括酸素移動容量係数(KLa) / 剪断力 / 細菌群集構造変化 / 自家熱型高温好気消化 / 有機液肥製造 / 有機排水処理 / 複合微生物系 / メタゲノム解析 / 総括酸素移動容量係数 / 硝化脱窒 / 循環型社会 / 持続型生産 / ATAD / 高温好気消化 / 自吸式通気撹拌装置 / 液肥製造 / 持続型物質生産 / 新規ATAD / 有機廃液の循環利用 / 複合微生物系制御 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではユニークな自家熱型高温好気消化において「ベンチュリ式通気撹拌の酸素供給特性と大きな剪断力により,好適な一部細菌群の優先的増殖と感受性菌群の死滅が誘起され,槽内環境変化と連動した細菌叢の劇的遷移が生じる」ことを証明するために下記の3点を明らかにする. (1) 最終フェーズで優勢となる難培養性好熱性細菌群の顕微蛍光マニピュレーターを用いた液系分離と諸性質の解明 (2) ラボスケールで設計したベンチュリ式通気撹拌装置が主要分離菌と硝化菌,脱窒菌の増殖と複合微生物系形成に及ぼす影響の解明 (3) ベンチュリ式通気撹拌装置の酸素供給や機械的剪断力等の培養工学的特性の解明
|
研究成果の概要 |
我々は特徴的な温度と細菌群集構造変化に加え高い窒素含量を実現するユニークなヒトし尿のATADプロセスについてメカニズムと制御因子の解明を目指した。群集構造変化の特徴は、優勢菌群の増殖・溶菌を伴う相互作用遺伝子群の存在比増減から、また、有機物および窒素成分の変化は代謝遺伝子と対応細菌群の存在から説明できた。さらにラボスケール実験系の確立により、細菌群集構造変化、迅速なC/N減少、と高窒素維持などはシステムの総括酸素移動容量係数の他に剪断力が重要な因子で、最適設計と制御が可能となった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果、し尿から衛生的で高窒素含量の有機液肥を製造する際の制御因子とそのユニークさの理由が明らかになった。学術的には複合微生物工学を呼称できる好例と考える。これにより、プロセスのパフォーマンス最大化と使用エネルギー・コストの最小化を目指すことができ、畜産し尿処理-リサイクル法としての開発、国内外の適地への導入促進を行う技術的素地ができた。普及により、資源循環型農業生産が広がり、持続社会の創成、SDGsの推進に大いに貢献することを期待したい。
|