研究課題/領域番号 |
19H02878
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
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研究機関 | 崇城大学 |
研究代表者 |
原島 俊 崇城大学, 生物生命学部, 教授 (70116086)
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研究分担者 |
笹野 佑 崇城大学, 生物生命学部, 教授 (90640194)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2021年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2020年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2019年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
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キーワード | 酵母 / ゲノムの再編成技術 / 人工ゲノム / ゲノム工学 / 染色体工学 / ゲノム編集 / 出芽酵母 / ゲノムの再編成 / 染色体複数部位の同時操作 / 複数ガイドRNAの同時発現 / 同時操作 / PCR / ゲノム干渉 / ゲノムの多様性 / 染色体複数部位の同時分断 / 染色体複数領域の同時部分重複 / 染色体複数領域の同時欠失 / ゲノムの多様性創出 / 人口ゲノム / 育種 |
研究開始時の研究の概要 |
目的の有用物質の生産に最適なゲノム(”ベストゲノム”と呼ぶ)を自在に創製する技術の開発は育種工学者の夢である。しかしベストゲノムを設計できる知見が十分でない現在、可能な戦略のひとつは、既存のゲノムを持つ生物から出発して天文学的な種類のゲノム組成を持つ細胞集団を誘導し、それから目的生産物の生産に最適なベストゲノムを持つ細胞をスクリーニングすることであろう。もしこうした戦略を取るのであれば、ゲノムの多様性を創出できる技術開発が不可欠である。本研究では、酵母を材料として、この目的を実現する「ゲノムの再編成技術」を開発し、これまで分離されたことのない種々の変異株を分離できる新規育種技術を確立する。
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研究成果の概要 |
物質生産に最適なゲノムを持つ酵母細胞を育種する技術として、「ゲノムの再編成技術」と命名した技術を提案した。「ゲノムの再編成技術」とは、天然の染色体を分断することで多数の脱落可能な染色体を創製し、そのランダムな組み合わせの脱落による再編成を利用して(例えば20個で約100万通り:Σ20Cr=1-20)、目的物質の生産条件で最も増殖の良い細胞や目的物質の生産性が最も高い細胞を選抜する技術である。1回の形質転換で、同時に複数部位の分断を達成するため、相同組み換え頻度の上昇やPCRで多数のガイドRNAを発現するDNA断片を1日で調製できる技術などを確立し、効率の良いゲノムの再編成技術を開発した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
どのような生物を対象としても、今後のゲノム操作、特に「合成生物工学」では、1回の形質転換操作で、多数の遺伝子を同時に、しかも効率よく操作・改変できる技術が重要になってくるであろう。本研究で開発を試みた「ゲノムの再編成技術」は、酵母を対象としたものではあるが、そのプロトタイプであると考えている。また「ゲノムの再編成技術」の中心的な要素技術である染色体の分断技術の効率化は、染色体任意領域の欠失や重複、置換の効率化をも同時に可能とする。さらに、生産効率が非常に高い細胞が持つゲノムの解析によって、将来ベストゲノムを合理的に設計できる理論を確立するための有用な知見が得られることも期待できる。
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