研究課題/領域番号 |
19H02879
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38020:応用微生物学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
野田 尚宏 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究グループ長 (70415727)
|
研究分担者 |
横田 亜紀子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (20415764)
常田 聡 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (30281645)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
16,510千円 (直接経費: 12,700千円、間接経費: 3,810千円)
2021年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2019年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
|
キーワード | トキシンタンパク質 / 抗菌活性 / MazEF / TAシステム / Nuclease / 小分子化合物 |
研究開始時の研究の概要 |
トキシン-アンチトキシンシステムは微生物の環境中での生存戦略を司るユニークなタンパク質である。中でもトキシンタンパク質であるMazFは通常の生育環境ではアンチトキシンタンパク質であるMazEと結合し活性が不活化されている。微生物が環境ストレスに曝されるとMazEが優先的に分解され、遊離したMazFがRNAを切断し、微生物を休眠状態に追い込んだり死に至らしめたりする。本研究では病原性微生物のMazFとMazEを取得し、それらの結合を撹乱することができる小分子化合物を探索する。さらに、得られた小分子化合物が病原性微生物の増殖に影響を及ぼす抗生物質としての機能を持つかどうかを評価する。
|
研究成果の概要 |
MazFは原核生物の細胞内で特異的な配列の一本鎖RNAを切断することが知られているトキシンタンパク質である。通常は対となるアンチトキシンであるMazEタンパク質によって抗毒化されているが、MazEとの結合がなくなることでMazFは機能を発揮し、細胞を休眠状態に陥らせたりする。本研究ではMazEFの結合を撹乱する化合物のスクリーニングを行った。その結果、MazFのRNA切断機能を細胞内で人為的に制御することができるいくつかの化合物を見出した。標的細菌に細胞外からMazFを導入し殺菌する、外来のMazFを利用した新しい殺菌手段の開発も行った。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
抗生物質の探索には、寒天培地上の生育阻止円等を利用して抗生物質生産菌を探索する方法が用いられてきた。このような方法で獲得できる抗生物質生産菌は現在までにほぼ取り尽くされた感があり、新たな抗生物質を獲得するためには、新しい標的分子や生物機能に着目する必要がある。そこで本研究では多くの原核生物が持つと言われているトキシンタンパク質であるMazFとそのアンチトキシンタンパク質であるMazEの機能に着目して、新しい抗生物質を探索するスキームを構築した点において社会的意義や学術的意義があると考えている。
|