研究課題/領域番号 |
19H02881
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38030:応用生物化学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
門倉 広 東北大学, 多元物質科学研究所, 准教授 (70224558)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2021年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2020年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2019年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
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キーワード | ジスルフィド結合 / 哺乳動物 / 分泌タンパク質 / 小胞体 / 物質生産 / フォールディング / PDI / 立体構造形成 / タンパク質生産 |
研究開始時の研究の概要 |
私たちの細胞がつくるタンパク質の中にはインスリンのように細胞の外で働くものがある。このようなタンパク質が正しい構造に折り畳まれるためには、分子内の正しい位置にジスルフィド結合が導入される必要がある。本研究では、細胞外で働くタンパク質にジスルフィド結合が形成される仕組みを解明する。その解析から、関連する病気の原因の解明やヒト由来の有用タンパク質を微生物で効率よく生産するための重要な知見を得る。
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研究成果の概要 |
ジスルフィド結合の形成は、細胞表層タンパク質の立体構造形成に極めて重要である。しかし、ヒト細胞の小胞体内に送り込まれてくる翻訳合成途上のタンパク質に、いつ、どのようにしてジスルフィド結合が導入されるのかについてはほとんど不明だった。本研究では、LDL受容体をモデルタンパク質として用いて、その過程をこれまでにない詳細なレベルで観察することに成功した。その結果、予想外の様々な新知見を得ることに成功した。更に、小胞体内に存在する2種類の酵素GPx7とGPx8の機能を試験管内と細胞内で比較することによって、前者の酵素の方が、PDIファミリー酵素を酸化型に維持する能力が高いことを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
タンパク質中に形成されたジスルフィド結合を組み換える反応は、複数のドメインから構成されるタイプの細胞表層タンパク質の折り畳みにおいて鍵となる反応ステップで、従来はタンパク質の翻訳合成が終わった後、数十分の時間をかけてゆっくりと進行すると考えられてきました。しかし今回の研究から、この反応はこれまでに考えられていたよりも遥かに早い段階に於いて、精緻な制御のもと、進行することが初めて明らかになりました。今回の結果は、細胞表層タンパク質の折り畳みの不具合によって発症する病気の機序を理解したり、微生物などを利用して、有用なタンパク質を生産したりする上で、基盤となる情報を与えると期待されます。
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