研究課題/領域番号 |
19H02882
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38030:応用生物化学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
吉村 徹 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (70182821)
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研究分担者 |
加藤 志郎 香川大学, 農学部, 准教授 (50547023)
中川 智行 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (70318179)
北浦 靖之 名古屋大学, 生命農学研究科, 講師 (90442954)
笠嶋 めぐみ 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 上級研究員 (90458290)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2021年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2020年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2019年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
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キーワード | D-セリン / セリンラセマーゼ / D-セリンデヒドラターゼ / D-アミノ酸 / 筋委縮性側索硬化症 / D-アミノ酸N-アセチルトランスフェラーゼ / カイコ / ALS / D-アミノ酸N-アセチルトランスフェラーゼ / 酵素 / バイオマーカー / D-アミノ酸生合成酵素 / D-セリン / 反応機構 / 腎疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
D-アミノ酸は哺乳動物にも広く存在し、シグナル分子として多様な生理機能を担う。例えば D-セリンはN-メチルD-アスパラギン酸レセプターのコアゴニストとして記憶や学習など脳の高次機能に関わる。D-アスパラギン酸は神経伝達や生殖に関係する可能性がある。本研究では未だ十全ではないD-アミノ酸のシグナル機能の分子レベルで解明を目指すとともに、D-アミノ酸を腎臓病の病態診断や筋萎縮性側索硬化症(ALS)の進行抑制へ応用する。さらに現在不分明のD-Asp合成酵素などの解明のためのツールとなる新奇D-アミノ酸生合成酵素遺伝子のファンクショナルスクリーニング系を開発する。
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研究成果の概要 |
(1)セリンラセマーゼ(SerR)がラセミ化を介さずD-Serのデヒドラーゼ反応を触媒する、 (2) 基質との反応によるマウスSerRの活性中心リジン残基のリジノアラニンへの変換とD-Serデヒドラーゼ活性の活性化、(3)ポリエチレングリコール修飾D-セリンデヒドラターゼの投与によるマウスの脊髄および血中D-Ser濃度の低下、を示した他、(4)カイコSerRの遺伝子の同定 (5)D-アミノ酸トランスアミナーゼによるSerラセミ化機構の解明、(6)D-アミノ酸生合成酵素遺伝子のファンクショナルスクリーニング法の確立、(7)D-アミノ酸N-アセチルトランスフェラーゼの反応機構解明、などを行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
D-Serは哺乳類脳内で脳の高次機能に関わるN-メチルーD-アスパラギン酸レセプターのコアゴニストとして機能する。従って脳内D-Serの消長は記憶や学習の他、統合失調症や筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの神経疾患と関連する。そのためD-Serの生合成を担うセリンラセマーゼ(SerR)は神経疾患に対する創薬の標的であり、SerRの構造機能相関の解明は喫緊の課題である。本研究の成果はSRの構造機能相関解明の一助をなす。また本研究ではマウスへのD-Serデヒドラターゼ投与により脊髄D-Ser濃度の低減を得たが、これは進行とともに脊髄でのD-Ser濃度が上昇するALSの病態解明に資するものである。
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