研究課題/領域番号 |
19H02883
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38030:応用生物化学関連
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
神戸 大朋 京都大学, 生命科学研究科, 准教授 (90303875)
|
研究分担者 |
片山 高嶺 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (70346104)
高橋 正和 福井県立大学, 生物資源学部, 准教授 (80315837)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2021年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2020年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2019年度: 8,450千円 (直接経費: 6,500千円、間接経費: 1,950千円)
|
キーワード | 亜鉛欠乏 / 炎症性腸疾患 / アルカリフォスファターゼ / 亜鉛吸収促進因子 / in vitro screening / 腸型アルカリフォスファターゼ |
研究開始時の研究の概要 |
炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease:IBD)は、過去40 年にわたり急激に増加した疾患として知られる。IBDの発症や憎悪化のメカニズムの一つとして、「亜鉛欠乏」が「腸型アルカリフォスファターゼ(IAP)の活性消失」を引き起こすことがあげられることを、細胞及び動物レベルで証明し、IBDの予防と治療に亜鉛の活用が実践的であることを示す。さらに、亜鉛の吸収効率を上昇させる食品因子を探索し、本因子が実際にIBDの予防や治療に有効に作用することを実証する。亜鉛を充足させる食の提案は、医薬や食品など幅広い分野の応用に新しい展開をもたらすものと期待される。
|
研究成果の概要 |
IBD発症の要因の一つにLPSを介した炎症性サイトカイン産生の亢進があげられる。亜鉛欠乏もIBD発症に関連があるとされることから、LPSのリン酸基を加水分解できる亜鉛酵素の活性低下が原因であると考えた。IAP、TNAP、ENPP3の3つが亜鉛欠乏時に活性が低下することを明示したが、THP1細胞などを使用した炎症性サイトカイン産生アッセイでは、亜鉛に依存した生物活性を見出すことができなかった。 亜鉛欠乏によるIBD発症を予防・治療するために亜鉛を充足させることは重要である。様々な食材から調整した抽出物や購入した食品因子をスクリーニングし、亜鉛吸収促進につながる可能性のある候補分子を複数同定した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
長年未解決であったIBD発症と亜鉛欠乏との関わりの機序を分子レベルで提示することは、その発症の予防や治療法の確立に大きく貢献する成果となる。特に超高齢社会を迎えた現在では、亜鉛欠乏はさらに増加すると予想されるため、亜鉛欠乏が関わるとされる疾患が増悪化すること、および罹患者が増加することが予想される。したがって、亜鉛欠乏が疾患に結びつく機序だけでなく、亜鉛を充足させる食を提案する意義は大きい。本研究では、亜鉛吸収に効果が期待できる複数の抽出物・因子を見出しており、本成果は、食を通じて亜鉛欠乏を抑制するだけでなく、医薬や食品など幅広い分野の応用に新しい展開をもたらすものと期待される。
|