研究課題/領域番号 |
19H02886
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38030:応用生物化学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
池田 丈 広島大学, 統合生命科学研究科(先), 准教授 (10505754)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 13,780千円 (直接経費: 10,600千円、間接経費: 3,180千円)
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キーワード | 細菌 / ケイ素 / ポリアミン |
研究開始時の研究の概要 |
ポリアミンは複数のアミノ基を有する通例直鎖上の炭化水素であり、短鎖のポリアミンは生物に共通して高濃度で存在する。一方、一部の生物には非常に多くのアミノ基を有する長鎖ポリアミン(LCPA)が存在することが知られていたが、その生合成経路は不明であった。本研究では、中温性細菌において発見されたLCPA合成にかかわる複数の遺伝子の機能を詳細に解析することで、LCPA生合成経路の全容解明を図る。また、本菌は無機鉱物であるシリカ(SiO2)を細胞内で形成する能力を有するが、このシリカ形成にLCPAが関与していると考えられるため、その解析も行う。
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研究成果の概要 |
一部の生物が形成するシリカの内部には、多数のアミノ基を有する長鎖ポリアミンが存在することが報告されている。長鎖ポリアミンの生合成経路は未だ不明であり、長鎖ポリアミンの機能を解析する上で大きな障壁となっていた。 我々は、シリカを形成する細菌において長鎖ポリアミンの合成に必要な遺伝子群を発見した。本研究では、各遺伝子がコードするタンパク質の機能解析を行い、長鎖ポリアミン合成酵素を同定することに成功した。また、組換え大腸菌の細胞内で合成された長鎖ポリアミンを精製する手法を開発した。精製した長鎖ポリアミンが試験管内においてシリカ形成を促進することを確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題の成果によって、シリカ形成生物における長鎖ポリアミン合成酵素を初めて同定し、長鎖ポリアミン生合成経路を解明することに成功した。本菌のシリカ形成における長鎖ポリアミンの機能は未だ不明な点が多いが、遺伝子破壊株や変異体を用いた機能解析が可能となったことで、今後一層研究が進展することが期待される。生物による洗練された鉱物形成メカニズムを明らかにすることで、ナノテクノロジー分野への応用につながることが期待される。
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