研究課題/領域番号 |
19H02887
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38030:応用生物化学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
松井 健二 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (90199729)
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研究分担者 |
高林 純示 京都大学, 生態学研究センター, 名誉教授 (10197197)
渡辺 文太 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (10544637)
岡田 憲典 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (20312241)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
16,510千円 (直接経費: 12,700千円、間接経費: 3,810千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2020年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2019年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
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キーワード | 植物嗅覚 / みどりの香り / 構造活性相関解析 / カルシウム動態 / 誘導防衛 / トウモロコシ / ヘキセノール / 化学感覚 / カルシウムシグナル / プロテアーゼインヒビター / 嗅覚 / ケミカルプローブ / 匂い応答 |
研究開始時の研究の概要 |
植物は環境中の揮発性化合物を受容し、防衛強化や成長プランの調整を行う。これは植物の「嗅覚」といえる現象である。植物「嗅覚」は生態系ネットワーク構築の鍵因子のひとつでその活用でより総合的な農業生態系管理技術の創成につながる。こうした視点から、本研究では植物「嗅覚」機構の解明を目指し、揮発性化合物プローブを合成し、揮発性化合物と相互作用するタンパク質性因子を同定する。さらに、「嗅覚」初期過程を可視化した組換え植物に変異導入し、「嗅覚」初期過程関与遺伝子を同定する。同定できた相互作用因子の機能を解明し、その作動機構を明らかにする。
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研究成果の概要 |
植物が香り化合物を受容し防衛応答を誘導するプロセスを理解するため、香り受容の構造活性相関解析とGCaMPを用いたCa2+センシングを実施した。トウモロコシ実生でZmCyst遺伝子発現を誘導を指標に構造活性相関解析を実施したところ、トウモロコシ実生はhex-3-en-1-ol構造を特異的に認識していることを明らかにした。一方、GCaMP発現シロイヌナズナ、トマトでCa2+動態を観察したところ、高濃度の香り化合物受容で細胞質へのCa2+流入が観察されるが生理学的に妥当な濃度では応答が見られず、植物の香り受容でCa2+流入が主要なイベントでないことが推察された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
植物が「嗅覚」を持つことは明らかになっているが、そのメカニズムは不明である。本研究では植物嗅覚が香り化合物の構造を極めて精細に見分けていることを明らかにした。ただ、このシステムは動物嗅覚とは異なるプロセスで香り化合物受容に細胞質へのイオン流入を必須としないことも明らかとなった。こうした知見を集積することで植物嗅覚の全容を明らかにすることが期待できる。また、こうした植物が本来持つ環境適応システムを人為的に制御することも可能になり、これまで発想されていなかっった新しい農業管理システムの開発にも資すると期待できる。
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