研究課題/領域番号 |
19H02888
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38030:応用生物化学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
沖野 望 九州大学, 農学研究院, 准教授 (90363324)
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研究分担者 |
角田 佳充 九州大学, 農学研究院, 教授 (00314360)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2021年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2020年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2019年度: 8,320千円 (直接経費: 6,400千円、間接経費: 1,920千円)
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キーワード | 細菌スフィンゴ糖脂質 / 糖転移酵素 / 糖脂質 / スフィンゴ糖脂質 / グルクロノシルセラミド / 緑膿菌 / スフィンゴモナス / αーガラクトシルセラミド / グルクロノシルジアシルグリセロール / グルコシルジアシルグリセロール / Sphingobium yanoikuyae / Bacteriodes fragilis / グルクロノシルセラミドグ / Zymomonas mobilis |
研究開始時の研究の概要 |
細菌由来の複合糖脂質はバリア機能などの重要な役割を有すると共に、感染時に宿主の免疫系を活性化することから、その構造や生物機能に関する研究がなされている。近年、細菌由来の単純な糖脂質にリンの飢餓応答や細菌感染における免疫細胞の活性化などの重要な役割があることが明らかになり、これら糖脂質の新たな生物機能に注目が集まっている。本研究では、緑膿菌がリン欠乏時に合成するグリセロ糖脂質の構造と生物機能並びに、細菌由来のスフィンゴ糖脂質の生物機能を解明すると共に、それら糖脂質の合成マシナリーを明らかにする。本研究はヒトの健康や産業に重要な細菌が有する糖脂質の新たな生物機能とその重要性の解明に貢献する。
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研究成果の概要 |
本研究では、細菌由来のグルクロン酸含有糖脂質に着目して研究を進めた。Z. mobilis由来のα-グルクロノシルセラミド合成酵素(Cer-GlcAT)に関しては、新たにS. yanoikuyaeからSyaCer-GlcATをバクテロイデスからα-ガラクトシルセラミド合成酵素を同定した。また、SyaCer-GlcATの結晶化とX線結晶構造解析により、その高次構造を初めて明らかにした。一方、緑膿菌がリン欠乏時にグルクロノシルジアシルグリセロールに加えて、グルコシルジアシルグリセロールや新規糖脂質を合成することを明らかにすると共に、それら合成酵素の同定にも成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細菌由来のスフィンゴ糖脂質にはNKT細胞の活性化能があることから、本研究において、細菌由来のα-グルクロノシルセラミドとα-ガラクトシルセラミドの合成酵素遺伝子が特定できた意義は大きい。また、本研究ではα-グルクロノシルセラミド合成酵素のX線結晶構造解析に取り組み、細菌スフィンゴ糖脂質の合成酵素としては初めて、その高次構造解析に成功した。一方、緑膿菌がリン欠乏時に合成するグリセロ型糖脂質に関しても、その合成酵素遺伝子を全て明らかにすることに成功した。これら糖脂質は緑膿菌の薬剤耐性と関わっていることが推定されるので、その阻害剤の開発は緑膿菌に対する新規抗菌剤の開発に繋がる可能性がある。
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