研究課題/領域番号 |
19H02890
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38030:応用生物化学関連
|
研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
伊藤 昭博 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (40391859)
|
研究分担者 |
堂前 直 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 副部門長 (00321787)
どど 孝介 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 専任研究員 (20415243)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2021年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2020年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2019年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
|
キーワード | 翻訳後修飾 / リジンアシル化 / TEAD / TAZ / YAP / Hippo経路 / KDAC / アシローム |
研究開始時の研究の概要 |
翻訳後修飾によるタンパク質の機能調節は、様々な生命現象の制御に関与するだけでなく、その異常はがんなどの疾患とも密接に関与することから、その全貌の解明は、様々な疾患の治療薬の開発に繋がる。一方、細胞内には未だ役割不明な翻訳後修飾が存在する。その一つがリジン残基上で起こる長鎖脂質修飾である。本研究では、我々が独自に見出した転写因子のリジン長鎖脂質修飾の機能解析を行うともに、リジン長鎖脂質修飾タンパク質の網羅的な探索法を確立し、それを用いて網羅的な同定を行うことにより、リジン長鎖脂質修飾の生物学的意義の一端を明らかにする。
|
研究成果の概要 |
がん抑制経路であるHippo経路下で働く転写因子TEADのリジン長鎖アシル化による活性調節機構の解明を目的に本研究を行った。その結果、リジン長鎖アシル化は極めて安定であり、TEADの転写共役因子であるYAPおよびTAZとの結合を促進することにより、TEADの転写活性化に寄与することを見出し、安定的なTEADの転写活性の維持に重要な翻訳後修飾であることを明らかにした。加えて、金属ビーズを用いたアルキン修飾ペプチド濃縮技術を応用することで、リジン長鎖アシル化タンパク質の網羅的な探索を可能とするアッセイ系を構築した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで報告されているリジン長鎖アシル化タンパク質は膜結合タンパク質である。今回、転写因子TEADの活性がリジン長鎖アシル化により制御されていることを明らかにし、リジン長鎖アシル化による新しい転写制御機構を世界で初めて示したことに学術的意義がある。加えて、申請者独自の技術を応用してリジン長鎖アシル化タンパク質の網羅的探索を可能にした点にも学術的意義がある。がん抑制Hippo経路下で働くTEADは腫瘍形成と密接に関わることが知られていることから、今回の研究により明らかになったTEADのリジン長鎖アシル化調節機構は新しいがん治療法のための分子標的になる可能性があり、この点に社会的意義がある。
|